声門上の喉頭がん、手術をしないという選択も
進行した声門上部の喉頭がん。手術すべきか、それとも手術をしないで治療か――。このほど、手術ではない治療を選択肢として考えられることが分かりました。これは、米国のケースウエスタンリザーブ大学を中心とした研究グループが、ジャマ(JAMA)オトラリンゴル・ヘッド・ネック・サージャリー誌で2015年5月7日に報告したものです。
研究グループは、声門上喉頭にできた進行した扁平上皮がんの手術の治療成績を検証しました。高度な医療を扱う3次医療機関で1990年1月から2013年6月までの声門上喉頭の3期または4期の扁平上皮がんの治療を受けた人の過去のカルテを分析。手術をした場合と手術をしない治療をした場合の違いを比べています。
また、生存率(OS)のほか、無再発率(FFR)、発声や飲み込む機能の維持について調べています。結果は、手術は無再発でいる可能性では優れていたものの、生存率での優位性は認められませんでした。
具体的には、5年間の無再発率は手術をすると75%だったのに対して、手術をしない治療の場合は55%でした。
生存率については、5年間で手術をすると52%、手術をしない治療でも52%。喉頭を保っておける割合は、手術をしている場合には42%だったのに対して、手術をしない治療だと83%でした。
発声機能については治療から5年間は常に手術をしない治療の方が優れていました。
飲み込む機能は2つの治療の間で差はありませんでした。
研究グループは、手術をした場合と比べると、喉頭を保つ治療として手術をしない治療は再発率が高くなるものの、生存率では同等であるため、進行した声門上喉頭がんの治療の選択肢にはなる、と説明しています。
難しい選択ではありますが、手術で悩んでいる人には選択肢の一つとして参考としたい研究報告になります。
■喉頭がん最大の要因は「タバコ」
日本の喉頭がん罹患率は人口10万人あたり約3人と、同じ気道系の癌である肺がんに比べるとその発生率は低いと言えます。喉頭がん患者の96.5%は喫煙者で、非喫煙者は3.5%に過ぎません。「喫煙さえしなければよい」という最も予防しやすいがんの一つです。喉頭がんは10:1(声門がんでは18:1)で圧倒的に男性に多いがんです。これは喫煙との関連が大きく、逆に言えば喫煙女性は発がん率が高くなると言えます。年齢的には20~30歳代には少なく、60歳代後半に発病のピークがあります。病理組織学的には扁平上皮がんという種類のがんがほとんどです。
またアルコールの多飲が声門上がんの発生に関与すると言われています。
声門がん・早期がんの増加
従来日本人の喉頭がんは声帯よりも上(声門上)に発生する癌が多いとされてきましたが、喫煙の影響から声帯に発生する声門がんの比率が徐々に増加し、最近では喉頭がん全体の2/3を占めるようになってきました(部位別では声門がん60~65%、声門上30~35%、声門下1~2%)。声帯に発生する癌は早くから“声がれ”が生ずるため、早期がん(Ⅰ・Ⅱ期)が70%を占めるようになってきました。これは、喉頭がんに対する社会的な認識が向上したと同時に、“声がれ”から早い時期に受診される方の割合が増加したためと考えられます。
転移は頸部のリンパ節転移がほとんど。遠隔転移は末期など除いては少なく、そのほとんどは肺にきます。
がんリスクの指標、「ブリンクマン指数」
喫煙が人体に与える影響は、吸い込んだタバコの煙の総量と密接に関係します。喫煙習慣は喉頭がんや肺がんの最大のリスク要因です。その危険度を数値化した指標を「ブリンクマン指数」といい、がん患者の統計から割り出したものです。「1日の喫煙本数×喫煙年数」で出します。これが400を超えると「要注意域」、600超で「高危険域」です。20歳から毎日一箱(20本)吸ってきた50歳の人は、20×30で600になりますから、もう高危険域に入っています。
過去の研究から日本人について出されている数字を見ると、男性の喉頭がん患者の大多数は1000以上に達しています。これは、非喫煙者と比べると女性で約6倍、男性は約8倍という数値です。
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タバコを一服吸っただけで、たちまち体内には活性酸素が発生し始めます。喫煙で喉頭の粘膜の毛細血管が傷つきポリープが生じます。
喉頭がんや肺がんの予防には、まずタバコをやめることが前提ですが、その後は毛細血管(微小循環血管)の改善が必要です。
当学会の研究主要テーマは「微小循環の改善」です。「HM-3000(特系霊芝)」の4つの効用(血液循環への影響、免疫系への影響、抗酸化作用、鎮静作用)に期待できます。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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