脳血管障害と微小循環
脳は生命活動を維持し、さらに言語機能の制御や精神活動をも行っています。多くの重要な働きを持つ脳の疾患は、人が生きていくうえで致命的となりかねません。1951年から1980年まで、日本人の死因のトップは脳卒中でした。その後、食生活の改善や医療の進歩により死亡率は減少傾向にありますが、依然として日本人の死因の3位以内の地位を保っています。
血液は脳のエネルギー源となるブドウ糖と酸素を運んでいます。その血液を大量に必要とする器官が脳であり、心臓から送られる全血液の20%が流れていきます。脳血管障害は、頭蓋内で出血する「頭蓋内出血」(部位によって「脳出血」と「くも膜下出血」があります)と脳動脈のつまる「脳梗塞」(脳血栓と脳塞栓)に大別されます。
脳出血の主な原因は、高血圧、加齢、ストレス、栄養不足などで、脳内の血管に障害がおこり破裂します。戦前の“タンパク源が少なく塩分の多い食生活”下においては、脳血管障害の原因の3分の2は脳出血でした。年齢は40歳以降、特に60歳以上の高齢者に多く、時間帯は夜間より朝夕に、また季節は冬におきやすい傾向があります。飲酒や過労、緊張や興奮のストレス、食事や入浴などで血圧が急に上がったときに脳出血は起こります。
脳梗塞には「脳血栓」と「脳塞栓」があります。脳血栓は動脈硬化などで細くなった動脈に血栓が少しずつできて血流を止めてしまいます。脳血栓は糖尿病、高脂血症、脳動脈硬化などの病気が引き金になります。また、急激な血圧低下や、脱水で血液濃度が高くなることにより血流の停滞がおこり発症することもあります。ウォーキングやスポーツなどに夢中になって水分の補給を怠り、脱水状態に陥り脳血栓で倒れる場合もあります。また、夜間の睡眠中に血圧が低下することによっても起こりやすい傾向があり、60歳以上に多いのが特徴です。
脳塞栓は、主に心臓にできた血栓が流れていって脳動脈をつまらせるものです。心疾患が引き金となり、過労や飲酒、ストレスなどが原因となって、突然、発作にみまわれます。年齢を問わず起きることが多く、若い人にも多いのが現状です。
突然の発作に見舞われる前兆は、必ず微小循環に表れます。大量の血液を必要とする脳は、ちょっとした微小循環の変化で“頭痛”や“めまい”など自覚症状として表れますので見過ごすことのないよう、注意が必要です。
康復医学の基本 微小循環基礎講座④
■細胞に必須な酸素を送る赤血球
身体の全身に張り巡らされている血管の末端(動脈から静脈に移る部分)、「微小循環」で、血液は初めて仕事をします。身体の細胞に必要な栄養素とその栄養素を有効活用するために必須な酸素を供給します。酸素は、1回の呼吸でおよそ17~20%しか体内で使われず、残りの酸素はそのまま血液が持ち帰って呼吸と共に吐出されています。運んだ酸素を効率よく供給する!
酸素は、肺で赤血球のヘモグロビンと結合して血流に乗って微小循環内の毛細血管から細胞に供給されます。しかし、微血管の弾力性低下や血球の凝集、変形能の低下によって毛細血管の血流が低下すると、細胞への酸素の供給量が減少してしまいます。さらにこの微小循環の毛細血管のところで、酸素が赤血球から切り離されてなければ、細胞には供給されません。酸素を運ぶ赤血球が細胞へ酸素を供給するには、2,3-DPGという物質が必要になってきます。2,3-DPGは、酸素を赤血球のヘモグロビンから切り離す、いわば「酸素カッター」の役目をします。血液の流動性は、NO(一酸化窒素)の産生(微血管内皮の柔軟性)、赤血球の変形能、2.3-DPG。この3大要因によって酸素を体の隅々まで供給し、効率的に細胞内に取り入れることができるのです。
呼吸酸素を有効利用する!
ストレスや生活習慣などの影響で、微小循環の血流は低下します。この体内の細胞レベルで微妙な酸素濃度の変化でも、身体に様々な影響を及ぼすのです。人為的に酸素を補給(酸素濃度の高い水、酸素カプセル等)するのではなく、日常の呼吸酸素を有効利用するのが基本です。
酸素の供給量を上げる2,3-DPGの産生促進に期待できるのが、「霊芝」です。このあたりのことは、後日「対策編」で詳しくお伝えしようと思います。。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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