2013年3月14日木曜日

最悪の老化物質「AGE」⑤


有史以来、現代人は糖質を摂りすぎている !?

人はもともと大量のインスリンを分泌することに慣れていませんでした。
 地球上に人類が誕生したのが約700万年前といわれていますが、文明が発達して農耕が始まり、穀物(炭水化物)を摂取するようになったのはわずか1万年程度です。ちなみに日本で考えると、旧石器時代、繩文時代はずっと動物や魚、本の実や野菜を食糧にする狩猟採集の食生活でした。
旧石器時代が9万年前から始まり、縄文時代に移行します。縄文時代は1万6千年前から弥生時代までの約1万3千年間です。じつは日本人が米を食べ出したのは弥生時代以降のわずか3000年間の話で、意外と短い期間なのです。
 農耕を始めて安定した食糧が確保できるようになったことで、人類の人口は爆発的に増えていきました。18世紀になるとフランスで炭水化物の精製技術が開発され、19世紀になって全世界に普及すると白いパンをはじめ、精製された炭水化物やその加工品が普及します。ところが精製された炭水化物は消化吸収が速いために血糖値がすぐに上昇します。
 左のグラフをご覧ください。精製された炭水化物がある食生活は、農耕が始まる前の食生活に比べると、食後の血糖値上昇幅が約3倍もはね上かっているのです。このような事態は、人類700万年史上初めてです。この急激な変化に、からだがついていけないのは当然のことかもしれません。さらに糖尿病の人が糖質をとると、血糖値は200mg/dl以上にもはね上がってしまうのです。


最悪の老化物質「AGE」⑤

■AGEリスクは骨にも及ぶ!

骨は、骨膜・骨質・骨髄・関節軟骨の4つで構成されています。骨膜は関節以外のすべての骨の表面を覆っている薄い膜で、主にコラーゲン繊維からできています。そして、骨表面の保護、骨を生成する役割を果たしています。骨には、体を支える、血液を作る、臓器を守る、カルシウムを貯蔵する、骨代謝を行うなどの働きがあります。

骨の柔軟性がなくなる?

骨の成分の90%以上を占めるコラーゲン。それが糖化してAGEを生じていくと、骨の柔軟性は低下し、外部から骨へ伝わる力の吸収が低下してしまうため、骨障害の原因になってしまいます。
 過去には、骨密度が重要視されていたことがありましたが、近年は鉄筋の役割をしている骨質(コラーゲン分子とコラーゲン分子同士をつなげる“架橋”)の大切さが注目されています。


骨折しやすい人はAGEが多い

大腿骨頸部を骨折した人と骨折していない人の軟骨内コラーゲンのAGE量を比較しました。骨折した人は若い骨・古い骨ともに、骨折していない健康な人よりAGE量が多いことがわかりました(右表)。この結果から、骨折群では骨形成の早期からコラーゲンの糖化が進んでいることが分かりました。
(データ:Clinical Calcium;19,8,46-53,2009)


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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