2013年3月7日木曜日

最悪の老化物質「AGE」③


AGEは最悪の老化物質!

人の体が老化するのには必ず原因があります。年をとれば、皮膚がたるんだり、血管がもろくなったり、視力が低下したりしますが、それは体の中で組織が何らかの変化を起こしたからです。それが、老化のきっかけとなる最悪の物質=AGE(Advanced Glycation End-products:終末糖化産物)です。様々な老化現象はこのAGEで説明できることが近年の研究でわかってきました。老化の原因物質が発見されたからには、それを取り除いたり、減らしたりすれば老化を防ぐ方法も見つけることができるはずです。
 1912年、フランスの化学者ルイ・カミーユ・メイラードが、糖とたんぱく質を一緒にして加熱すると、褐色あるいは黄色い物質ができることを発見しました。この「褐変反応」のことを、発見者の名前をとって「メイラード反応」と呼びます。
 メイラード反応は、日常的によく経験している化学反応です。たとえば、小麦粉(糖)と卵(たんぱく質)をミックスしてホットケーキをつくると、表面がこんがりしたキツネ色になります。糖とたんぱく質や脂質が加熱反応によってメイラード反応が起きたわけです。肉や魚を焼いたときの褐色の焼き目や焦げ目などもメイラード反応です。味噌や醤油が寝かすことで熟成するのもメイラード反応です。キャラメルやお煎餅の色、ビールやコーヒー、ほうじ茶や麦茶の色などもメイラード反応が関わっていることを示しています。多くの食品にはさまざまな種類の糖やタンパク質が含まれていて、加熱するとメイラード反応が起きます。プリンのカラメルのように糖質だけを加熱してもメイラード反応は起こりません。
 そして人の体内では、加熱されなくても、アミノ基とカルボニル基の間に酵素によらない化学反応によって、糖とたんぱく質のメイラード反応(糖化反応)が起きることがわかりました。体の細胞や組織はほとんどがたんぱく質でできています。体内の組織が糖にさらされて糖化が進み、元のたんぱく質や糖質に戻ることのない最終的な糖化物質「AGE」(AGEsとも言います)を生じます。
 たんぱく質が糖化されて生じたAGEが体内のいたるところにたまっていって、本来の組織の老朽化が進みます。皮膚の老化が進むと、たるみやしわ、しみやそばかすも出てきます。骨の老化が進むと、スカスカになり、骨粗しょう症などになります。目の老化の典型は「白内障」です。白内障になると目の水晶体が白く濁ってきます。白く濁ったことで白内障に気づき処置を受けるわけですが、そのまま放置してしまうと、水晶体は黄色になることが知られています。目の水晶体や関節の軟骨組織は一生組織が入れ替わらないため、AGEが年齢を重ねるだけ蓄積されていきます。これもメイラード反応(糖化反応)による老化なのです。


最悪物質AGE③

■AGEを生成するメイラード反応

○食品のメイラード反応
たんぱく質(アミノ酸)と糖をいっしょに加熱すると、褐色化し香ばしさが増す反応。
(たんぱく質+糖)×熱=メイラード反応 ⇒AGEの生成
(香ばしく美味しくなるが、食べればAGEを摂取したことになる)
※以前は摂取されたAGEは体外に排出されるといわれていましたが、近年の研究で、摂取したAGEの7~10%が体内に蓄積されることがわかっています。

○体内で起るメイラード反応
身体の中ではたんぱく質と糖が結びつき、非酵素の化学反応によって
(たんぱく質+糖)×時間=メイラード反応 ⇒AGEの生成
(AGEを生じて蓄積し、老化を早めや病気を起こす)

AGE:身体に対する影響

AGEを増やす原因は「高血糖」です。血糖は身体のエネルギー源ですが、多すぎると糖化を促進します。特に気をつけたいのは、糖尿病でなくても食後に高血糖になるだけで糖化のリスクが増すことです。

【肌への影響】 

 糖化の影響を特に受けやすいのがコラーゲンです。コラーゲンの多い肌は、老化物質が蓄積しやすい組織の一つなので、高血糖を防ぐことが美肌対策になります。

【骨への影響】 

 骨はカルシウムのかたまりと思われがちですが、実はその体積の半分はコラーゲンでできています。骨の中には無数のコラーゲン繊維(=線維)があり、その繊維同士を「梁(はり)」のようなもので結んでいます。この梁が弾力性のある強い骨を作っていますが、AGEが通常の梁に代わって「悪質な梁」を作り、骨に影響をあたえます。

【血管への影響】

太い動脈は、3層でできています。その中膜はコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質で構成されていますが、これらはいずれも糖化しやすく、AGEが蓄積すると血管のしなやかさが失われ、動脈硬化などが進行してしまいます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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