2013年3月23日土曜日

最悪の老化物質「AGE」⑧


高血糖の記憶 !?

 HbA1c(ヘモグロビン エー・ワン・シー)は、赤血球の中にあるたんぱく質、ヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、「糖化ヘモグロビン」とも言います。HbA1cは、血液検査を受ける約1~2か月前の平均的な血糖状態を反映します。
 血糖値が高い場合、薬で血糖値を下げることができます。また、赤血球は120日の寿命があるので、糖質を制限すれば数値を下げることに期待ができます。
 しかし、糖尿病の患者さんの場合、ある程度の期間、高血糖状態が続いてしまうと、その後血糖値を下げて正常に戻しても、老化やさまざまな病気の進行は一向に止まらないことがあります。たとえば、6~7年間高血糖にさらされた患者さんは、その後10年間、一生懸命治療して血糖をコントロールしても、病気の進行は思ったほどには止まりません過去の高血糖を長期にわたって引きずってしまい、途中から血糖コントロールを行っても、思ったほどには病気の進行を抑えることができず、症状が悪化してしまいます。これは糖尿病の研究者の間で『高血糖の記憶』と言われているものです。
 似たような現象は、タバコとがんとの関係にも存在します。タバコを吸う人は将来肺がんになる危険性が高く、そのリスクは禁煙したあとも一定の期間続きます。一日何十本もタバコを吸う生活を長年続けていた人が、「今日から禁煙したから」といっても、いままでの喫煙歴がすぐになくなるわけではありません。タバコをやめたあとも肺がんになるリスクは高いまま推移します。一度もタバコを吸ったことがない人のレベルに戻るまで、禁煙後何十年もかかります。タバコをやめてからも肺がんのリスクは高いまま残ります。つまり、過去の喫煙歴を引きずってしまいます。
 同じように高血糖も「記憶」の現象が存在するわけです。もし、その時の血糖値だけが問題なら、血糖値を下げれば、治療効果がすぐにあらわれ、治療を開始した時点から、少なくとも病気の進行が止まり、症状が良くなっていくはずです。それなのに、進行が止まりません。この謎はなかなか解けなかったのです。高血糖だった時代にある物質が作られて、それができると人間の体の中に長くとどまり、血糖値が正常に戻ったあとも、ずっと悪さをし続けるためではないのか・・・・? 糖尿病の研究者の間では、この「高血糖の記憶」ともいうべき現象のメカニズムが長く説明できずにいました。
 そして、ついにその物質が解明されたのです。その物質こそが、糖尿病に伴う合併症を進行させ老化を促進する原因物質「AGE」だったのです。


最悪の老化物質「AGE」⑧

■糖化リスクは“食後高血糖”

一般の健康診断で広く行なわれている血糖値測定は、空腹時の血糖値ですが、たんぱく質が糖と必要のない反応をする「糖化」は、食後、血液中に余分な糖があふれている状態で発生します。食後の高血糖時に起こるので、食後にチェックするのがいちばん有効なのです。空腹時に測るだけでは十分ではありません。


「食後血糖値」は、糖化はもちろん、早期段階の糖尿病を見つける指標としてもたいへん重要です。左上グラフのように、糖尿病になる人は、病気が発症する5年くらい前から、食後血糖値が上昇しはじめます。しかし、この早期の予兆は空腹時血糖値だけでは見つけることができません。「糖尿病の発症リスクを早期に発見するには、食後の血糖値をチェックしなければならない」というのは、現在、世界の医療の常識です。もちろん、誰でも食後は血糖値が上がります。しかし、左下グラフのように、糖化が進んでいる人や糖尿病リスクがある人は、上がり方がまったく違います。インスリンがすぐには分泌されず、食後血糖値が上がったまましばらく下がらないという特徴的傾向を示すのです。しかも、空腹時は普通なのですが、食後だけ高くなります。

食後1時間の血糖値が重要!

食後血糖値が上がり、体内にいちばんAGEができやすいのは「食後1時間」です。この食後1時間の時点で血糖値が150を超えていたら要注意です。そして、200を超えていたら「リスクが大きい」と考えるようにしてください。
 食後血糖値を測らなくても、糖化が進んでいるかどうか、ある程度の想像がつく場合もあります。たとえば、“食後に決まって眠くなる人”の何割かは、食後血糖値が高くなっている可能性があります。さらに、胃がもたれるほどに食べてしまう傾向がある人などは要注意です


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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