“人食いバクテリア”患者急増!
前回、世界の感染症をみてきましたが、今回は日本などの温帯地域では普遍的な感染症の情報です。人食いバクテリアの原因菌「A群溶血性レンサ球菌」 (国立感染症研究所) |
国立感染症研究所によると、昨年は99年の調査開始以降最も多い273人に達しました。今年も2月15日までで68人に上ります。急激な進行と致死率の高さから“人食いバクテリア”として話題になっているこの細菌感染症は、いったいどのようなものなのでしょうか。
主な原因菌の「A群溶血性レンサ球菌」は特別な細菌ではありません。扁桃炎やとびひ、皮膚炎などを起こしますが、通常は抗菌薬で治療できます。症状がないまま、のどなどに保菌している子供もいます。
しかし傷口などから細菌が体に入ると、まれに劇症化することがあります。初期症状は手足の痛みや腫れ、発熱などですが、病気の進行は極めて速いのです。細菌が急激に増殖し、通常は細菌のいない筋肉や筋膜を壊死させたり、血流に乗って全身に回って多臓器不全などを引き起こしたりします。発症して数十時間以内にショック状態で死亡することもあり、死亡率は30~50%に達しています。
厄介なのは、抗菌薬の効果が菌の増殖スピードに追いつかない場合もあるということです。東京女子医大の菊池賢教授(感染症学)によると、「足が痛い」と訴えて来院した患者を診察した際、壊死して皮膚が紫色に変色した部分が見る間に広がっていった例もあったそうです。
「体内で免疫機構が全く機能せず、細菌が自由に増殖していくのを見ているようだった。どんどん壊死が広がる場合は切断して止めるしかない」(菊池教授)
なぜ劇症化するかは解明されていません。国立国際医療研究センターの病原微生物学研究室長によると、A群の中でも、ある特定の遺伝子を持った型が劇症化を起こす場合が圧倒的に多いことが分かっているそうです。通常、体内に入った病原体は免疫細胞によって排除されますが、この型の菌は特別な物質を産生して免疫細胞を攻撃している可能性が考えられるといいます。
厚生労働省研究班の調査では、患者の半数以上が60代以上の高齢者でした。患者側に発症しやすさに関わる因子がある可能性もありますが、はっきりしたことは何も分かっていないのが現状ということです。
■劇症型の主原因、「A群溶血性レンサ球菌」とは
A群溶血性レンサ球菌は、上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられる菌で、侵入部位や組織によって多彩な症状を引き起こします。日常よくみられる疾患として、急性咽頭炎の他、膿痂疹、蜂巣織炎、あるいは特殊な病型として猩紅熱(しょうこうねつ)があります。これら以外にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こします。また、菌の直接の作用でなく、免疫学的作用として、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことが知られています。
さらに「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(レンサ球菌性毒素性ショック症候群)」は、軟部組織壊死を伴い、敗血症性ショックを来たす重篤な病態として問題になっています。
“劇症型溶血性レンサ球菌感染症”患者数の動向
感染研によると、劇症型感染症は87年に米国で見つかり、日本では92年に初めて報告されました。患者は全例、国に報告されることになっています。患者報告数は2000年代前半までは年50人前後で推移しましたが、その後は100人前後に増えていき、2010年代は200人前後と倍増。右のグラフをを見れば近年全体の報告数が増えているのは一目瞭然です。またA群以外の溶血性レンサ球菌でも劇症化する場合があることが分かってきています。
A群溶血性レンサ球菌による疾患の予防対策
A群溶血性レンサ球菌は通常、患者との接触を介して伝わるため、人と人との接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多くなっています。感染率については兄弟での間が最も高率で、25%と報告されています。学校での咽頭培養を用いた研究によると、健康保菌者が15~30%あると報告されていますが、健康保菌者からの感染はまれと考えられています。予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行することとされています(国立感染症研究所感染症情報センター)。
康復医学学会の研究素材「ホタテ貝殻焼成カルシウム」はさまざまな菌やウイルスの感染予防に効果が実証されています。うがいや手洗い、日用品の抗菌・抗ウイルス対策にご利用いただけます。
また、主要研究素材「HM-3000(特系霊芝)」の成分には、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、血流関連に対する効果だけでなく、レンサ球菌の発育を阻止する作用も認められており、A群溶血性レンサ球菌による疾患の予防対策としてもお役に立ちます。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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