適応障害やうつ病も“六月病”?
「六月病」をご存じですか? 進学、就職、転職などで新年度から環境が変わった人が、 「体がだるい」「やる気が出ない」などの心身の不調を訴えることがあります。俗に「五月病」と言われましたが、最近は6月にも多くみられることから、「六月病」とも言われます。なぜ6月に多いのか? ゴールデンウィーク明け、研修期間が終わり本格的に仕事を任されるようになるのがちょうど6月ごろ、ということでしょうか。雨が多い季節というのも、気分を落ち込ませる要因のようです。
「五月病」も「六月病」も、医学的な病名ではありません。昔からよくあるのは、社会的な対人関係スキルが未熟な若者が、異なる年齢層、立場の人と初めて関わり、悩んだり憂うつになったりする例。たいていは夏ごろまでには自然に治まります。いわば大人になるための通過儀礼のようなもの。
しかし「六月病」には、通過儀礼では済まされない深刻な例も多く含まれます。その一つが「適応障害」です。これは、環境の変化などが大きなストレスになり、情緒面や行動面の症状が表れ、社会的機能が著しく害される、医学的な診断名です。
適応障害になると、生活に支障を来すほど抑うつ気分になり、不安や心配が強くなりますが、ストレスの原因から遠ざかると症状は軽くなり、元気になります。
最近よく耳にする「新型うつ」は、趣味など好きなことは楽しめるのに、仕事になると途端に憂うつになり、不安や焦りが強くなるというもの。わがままと誤解されやすいですが、これも適応障害の一種とみられます。
また、「六月病」の中には、「うつ病」も含まれます。うつ病は「気分障害」の一つで、ストレスの原因を取り除いても症状が続きます。人事異動や転居などをきっかけに、抑うつ状態になり、何にも興味が持てない、自殺願望が出てくる、などの症状が続きます。厚労省の患者調査によると、うつ病の患者数は1996年では43万人でしたが、その後徐々に増え2011年には96万人と2倍以上になっています。うつ病患者はすでに100万人を超したといわれており、うつ病ではないが気持ちがふさぐうつ傾向の人は7人に1人というデータもあります。
環境変化がある5、6月は様々なメンタルヘルスの問題が表に出やすい時期です。心身の調子が悪く、生活に支障を来していると人は精神科や心療内科で診てもらいましょう。
http://somvweb.som.umaryland.edu/
■「六月病」の対策
病気というほどでもないけれど、ちょっと調子が良くないという人は、次の三つのポイントを心がけてみましょう。●生活リズムを整える
悩みや不安があると夜眠れず、起きる時間も遅くなりがちです。しかしできるだけ同じ時間に起き、4時間以内に太陽の光を5分以上浴びましょう(曇りや雨の日でもOK)。強い光に当たると脳内セロトニンが増え、それが覚醒・睡眠リズムをつくります。セロトニンは「幸せホルモン」とも言われ、精神を安定させる働きがあるのです。●適度に身体を動かす
運動が好きな人は汗をかくといいでしょう。嫌いな人はラジオ体操のようなリズミカルな運動をしたり、15分間歩いたりするだけでも違います。速く歩いたり、ゆっくり歩いたり、風景を眺めて季節を感じたりします。野の花や夕焼けなどに「わあ、きれい」と声を出して言ってみると、心も温まります。●オンとオフを意識して区別する
いつもオン状態だと交感神経が優位になり過ぎてしまいます。意識的にオフの時間をつくり、読書や音楽、映画鑑賞など好きなことをして気分転換をしましょう。
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【薬に頼る前に】
適応障害やうつの治療はカウンセリングなどの精神療法が中心に用いられ、補助的に薬が用いられます。薬は、主に睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬ですが、あくまでも症状を抑える対処療法です。また、たいていの薬は効果が出るまでに1~2週間を要し、逆に副作用はすぐに表れます。
初期症状の段階で薬に頼ってしまうと、副作用のつらさや薬をやめる怖さから依存症に陥り、場合によっては本当のうつ病になってしまう人も少なくありません。特にSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)の若年層への処方による凶悪な副作用についてはご存知の方も多いと思います。使用には十分な注意が必要です。
不安感を改善する抗うつ薬の作用機序は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンによって精神状態や気分の高低が決定されるという"脳内モノアミン仮説"を前提としています。
当学会の研究素材の「ラフマ」には、セロトニン産生および脳神経細胞膜流動性への影響を示すデータがあります。ラフマ葉エキスの抗ストレス作用、睡眠改善、鎮静作用、血圧安定作用などが、六月病対策として期待できます。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン
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