2011年12月10日土曜日

ウイルス対策に大切な粘膜の潤い


不感蒸泄(ふかんじょうせつ)

インフルエンザの季節を迎えましたが、鳥インフルエンザに関しては新聞等で扱うことが少なくなってきているようです。

しかし、海外のメディアでちょっと怖い話題をみつけました。強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に関するオランダや日本などの研究論文2本について、米科学誌サイエンスが生物テロに悪用される危険を理由に掲載を見合わせていることが分かったそうです。
オランダの論文では、H5N1の遺伝子を5か所変異させると人間同士での感染力を持つことが説明されており、同誌を発行する米科学振興協会は生物兵器開発の参考にされるのではと懸念しているそうです。

強毒性H5N1は、腸管の出血も起こし死亡率が高いウイルスです。現在は人間への感染力が非常に弱く、人間同士での感染例は限られています。しかし、同協会のホームページによると、オランダ・エラスムス医療センターのチームが、人間への感染力を生み出す変異を発見し、遺伝子を組み換えたウイルスを作製。人間と似た反応を示すフェレット(イタチ科に属する肉食性の哺乳小動物)の感染実験にも成功したとのこと。東京大医科学研究所の国際チームによる論文については、内容を明らかにしていないようですが‥‥。強毒性のウイルスは鳥ではなく人間の手によって蔓延してしまうのでしょうか? 

現実的な関心はシーズンを迎えたインフルエンザです。毎年冬に流行する風邪やインフルエンザは、なぜ冬にはやるかはっきり分かっていませんが、空気の乾燥と気温の低さに関係するとされています。そして、乾燥により体内から奪われる水分は、夏のより冬場のこの時期のほうが多いそうです。
快適な湿度は、約40%~60%といわれていますが、日本の冬の外気湿度は50%程度。夏の70%超に比べてかなり低下し、しかも、外気温が低いときに、室内を暖房で温めると、空気が膨張して増える一方、そこに含まれる水蒸気の量は変わらないために相対湿度は低下します。例えば、気温が10℃、相対湿度が100%の空気を25℃まで温めると、相対湿度は41%に落ちてしまうのです。

冬型の気圧配置により、空気が乾燥しやすいことに加え、屋外の気温が低いので、暖房中の室内は、屋外よりもはるかに強い乾燥状態になりやすくなっています。このような状態では、皮膚や呼気から知らず知らずのうちに水分が失われる「不感蒸泄」(発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失)が多くなります。そして、放っておけば体の中も“カラカラ”状態になってしまいます。


シーズン2011 ウイルス対策
■粘液線毛輸送機能

粘液線毛輸送機能とは、鼻や気管・気管支など、気道の粘膜にある線毛組織が、吸いこんだ空気中の細菌やウイルスなどの異物を排除する働きです。鼻腔(びくう)などを覆う線毛と、線毛の周りにある「線毛間液」、その上を覆う「外層粘液」の働きよって、鼻腔や気管、気管支に入りこんだ異物はのどに向かって運搬され、最終的に食道に排出されて処理されます。つまり、粘液線毛輸送機能は、口や鼻から体内に侵入する菌やウイルス、異物から身を守るための最前線なのです。

機能低下の原因のひとつは乾燥!
粘液線毛輸送機能は、左図のように「線毛間液」と「外層粘液」によって保たれています。しかし、乾燥する冬場のこの時期、呼気や皮膚から身体の水分が多く失われ、「線毛間液」が減少し、線毛が「外層粘液」に絡まったり粘液が濃くなったりするため、粘液線毛輸送機能が低下します(右図)。このため異物が排泄されにくくなってしまうのです。

冬場の乾燥対策には…
体内から奪われる水分は、夏場より冬のこの時期の方が多いことがわかっています。そして、粘液線毛輸送機能は、乾燥した環境では、水分が奪われて線毛間液が少なくなったり、外層粘液の粘度が上がったりするために、大切な防御機能が低下してしまいます。実際、先天的に粘液線毛輸送機能に障害がある患者は、子供の頃からカゼを引きやすく、気道の慢性的な炎症を起こすそうです。

日頃からできる対策としては、のど飴を舐めるのがよいでしょう。のど飴で唾液の分泌を促進させ粘膜に潤いをあたえて乾燥を防ぐことです。
暖房中の室内は外よりも乾燥している場合が多いのです。そんな時、私は『レイシセンダンのど飴』を舐めています。この飴特有の苦味の刺激が唾液の分泌に影響して、粘膜が潤ってくるのがわかります。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

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