2016年4月13日水曜日

栄養学

“栄養学の父”フォイトが犯した2つの間違い

 「最も理想的な栄養は、高タンパク、高脂肪、低炭水化物である」。19世紀半ば、こう唱えたドイツ人栄養学者がいます。それが、カール・フォン・フォイト(1831~1908)。1863年から45年間、ミュンヘン大学生理学教授を務めたドイツ生理学会の重鎮。彼は高タンパク、高脂肪の動物食を推奨しました。そして、炭水化物は「栄養価が低い」と否定しました。「肉や卵、牛乳や乳製品をたっぷり食べなさい」「炭水化物は栄養が乏しいので控えなさい」と栄養指導したのです。この考え方は栄養学のスタンダードになりました。そして彼は“近代栄養学の父”と呼ばれています。

栄養学的に説明のつかない事例も多い
しかし後に「マクガバン報告」や「チャイナ・スタディ」は、この“近代栄養学の父”の理論「最も理想的な栄養は、高タンパク、高脂肪、低炭水化物である」が、根底から間違っていたことを暴露し告発したのでした。そして現在、多くの学者・指導者たちが「われわれの食事と栄養学は、間違っていた!」「先進諸国の食事はひどいものになっていた」と嘆かせることになったのです。

 ドイツ栄養学は“戦場の栄養学”だったのかもしれません。肉食により血液が酸性に傾き、攻撃的、かつ瞬発力がつく、さらに体格をより大きくする‥‥フォイトは勇敢なドイツ兵を養成するために、敢えて肉食礼賛の栄養学をねつ造したにかもしれません。それはドイツ帝国の軍部の要請にもかなっていました。その軍国主義に応えたことで、フォイト栄養学は近代栄養学の基礎の地位を得たのではないでしょうか。

 フォイトは、もう一つ決定的な間違いを犯しています。それがカロリー理論。一日摂取する食物を窯で燃やして、そこから得られる燃焼エネルギー(熱量:カロリー)で生命はエネルギーを得ていると考えたのです。まさに人間を「機械」とみなす発想です。摂取カロリーが基礎代謝熱量を下回ると、次第にやせ細り、最後は餓死すると結論付けました。
 しかし、人間は生命体で、鉄の窯は物体。このカロリー理論も誤りでした。小食者、不食者の存在がフォイトのカロリー理論を根底から否定しました。

 こうして近代栄養学の二本柱、肉食理論とカロリー理論は、いずれも崩壊したのです。しかし、この二大理論は、いまだに現代栄養学の中枢に鎮座したまま、世界中の栄養学テキストを支配しているのです。どう思いますか?

■体は、栄養素だけでは動かない

糖質脂質タンパク質の3大栄養素、これにビタミンミネラル食物繊維を加えて6大栄養素、を加えて7大栄養素、さらにファイトケミカル(ポリフェノール、カロテノイドなど)で8大栄養素といわれます。これらが私たちの生命活動のエネルギー源となります。
 外部から摂り入れた食物から、体に必要なものを取り出して利用し、不要なものは排泄しながら絶えず新しい細胞に入れ替えています。

全ての化学反応が必要とする酵素enzyme)

あらゆる生物の中で起こるすべての化学反応は、酵素なしでは行えません。食べたものを分解してエネルギーを取り出す代謝過程(異化)も、そのエネルギーを使い、単純な化合物から自分の体の部品を作り出す反応(同化)も酵素の力のおかげ。植物なら種子からの発芽も実が熟すのも、葉が色づくのもすべて酵素の働きです。

酵素を消耗させ、健康を損なう現代の食生活

もちろん、食べたものを消化するにも酵素(消化酵素)が使われます。そして、エネルギーを作り出したり、細胞の入れ替えや組織の修復をしたり、有害な毒素(老廃物)の排泄をしたりという役割にも酵素(代謝酵素)を必要としています。重要なのは二つの酵素のバランスです。ポイントは消化酵素の占める割合が小さいことが健康な状態ということです。

 酵素は毎日作られていますが、1日の生産量も決まっており、またトータルでは一生で一定量しか作られません

 食べ過ぎや、インスタントなどの加工食品や加熱食、食品添加物、白砂糖、高GI食品、高タンパク食品、トランス脂肪酸などの悪い油、医薬品など“人工的で不自然な食品”を摂る生活は大量の酵素を消費し、代謝や解毒に回る酵素が絶対的に不足させ健康状態を損ねます。老化も進み、寿命も短くなるのです。

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摂った栄養を効率よくエネルギーにする食生活

まずは食べ過ぎないこと。昔から言われている腹八分目を意識しましょう。
 また、消化を助ける酵素を含む食品(生野菜、果物、生魚、生肉)」発酵食品(味噌、ヨーグルト、納豆、漬物など)」を加熱食品と同量くらい摂り、精製食品(白砂糖、精製塩、小麦粉、白米)の量を減らし、化学調味料やマーガリン、添加物を摂らないように心がけましょう。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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