2019年7月24日水曜日

スマホとドーパミン

脳過労…デジタルと脳の関係

今や私たちの生活に欠かせない、スマホをはじめとしたデジタル機器。しかし、使い過ぎによって脳や身体に変調をきたす人が増加していると言われています。なかでも、増えているのが認知症に似た症状が起こる「脳過労」です。

脳過労とは、脳が疲労して疲れがたまり、心身に影響を及ぼしている状態。その症状は、認知症の初期症状と似ています。例えば、もの忘れ、集中力・作業能力の低下、理解力・判断速度の低下、人柄が変わる‥‥などです。

 情報を入れる「入力」、その情報の「整理」、話すなどの「出力」。脳は、これら3つのステップを通じて情報を処理しています。しかし、脳が働きすぎると情報処理が追いつかず、脳機能が低下する現象が見られます。これが「脳過労」の状態です。

【脳過労セルフチェック】※3つ以上当てはまる方は、脳過労の可能性があります。
□ よく眠れない事が多い  
□ ここ数年もの忘れが増えた  
□ よくイライラする 
□ やる気・興味がわかなくなった  
□ 仕事・家事の段取りが悪くなった

 脳過労を回復させるには、以下の二つの方法が効果的です。
(1)ぼんやりするぼんやりする事で脳の情報が整理され、脳過労が回復します。"ぼーっとする"時間を作って、脳がごみ屋敷になるのを防ぎましょう。
(2)単調なリズム運動:皿洗いや、部屋の中での足踏みなど、単調なリズム運動を行いましょう。神経伝達物質「セロトニン」が放出され、脳の疲れを回復してくれます。

 脳過労を引き起こす危険なスマホの使い方として、「目的なしスマホ」が挙げられます。目的を持ってスマホを使うのならよいのですが、暇だからといって目的もなく使用するのは、ぼんやりする時間がスマホによって奪われることになり、脳過労を生み出します。また、入浴しながら、歩きながらなどの「ながらスマホ」も危険です。異なる行動を同時に行うマルチタスクは、脳にストレスを与えます。特に、テレビやパソコンとスマホの同時使用は、情報量を大幅に増やし脳へのストレスが大きくなって、神経細胞にダメージを与える事さえもあります。

 デジタル機器はその便利さに頼り切るのではなく、使うシーンを考えて、上手に付き合っていくことが大切なのです。
(出典:CBCテレビ「健康カプセル ゲンキの時間」)

■ドーパミンとセロトニン

 私たちが電子機器を使うようになったのは、ここ数十年のこと。テレビの登場後、それに続くパソコン、タブレットPC、スマホなどの登場は比較的最近です。人間が何百万年もかけて進化を遂げてきたことを考えると、20年ほど夜更かしを続けたくらいで身体が適応できるとは思えません。
 電子機器を使えば依存する恐れが生じる、というレベルの話ではありません。私たちはすでに、電子機器に依存しています。そうなるように、人間の身体ができているのです。つまり、絶えず何かを探求するようにできているのです。
 夜の電子機器の使用が習慣化すると、体内リズムが慢性的に狂う恐れがあります。そうなれば、深刻な病を抱える可能性が格段に高まるのです。

スマホはドーパミン無限製造機

私たちの体内では、「ドーパミン」と呼ばれる物質が生成されます。影響力がとても強く、かつては、脳が「快楽」を感じるシステムを司る物質だと言われていました。楽しい、嬉しいといった気持ちにさせてくれるので、ドーパミンの分泌を促す行為(食事、セックス、ドラッグなど)を求めたくなるという理屈です。

 ところが近年になり、ドーパミンは快楽と無関係であることが明らかになったのです。快楽の感情は、「オピオイド」という物質の作用がもたらす結果として生まれるといいます。ドーパミンは、探求という行為にのみ関係する物質だったのです。獲物を探す、先がどうなるのかを知る、といったことをするだけで、ドーパミンは分泌されます。
 脳はドーパミンがじわじわ分泌される状態が大好きです。そんな脳が、インターネットにハマらないわけがないのです。

 なぜ、探求に夢中になるのか。それは、オピオイドが快楽の感情を与えてくれるからです。ネットで何かを調べるという行為には、必ずオピオイドがついてきます。そして、瞬時に満足感をもたらしてくれます。新しいフォロワーができる、記事に「いいね!」がつく、インスタグラムに誰かの新しい写真がアップされるというように、何か新しい発見があるたびに、脳内に少量のオピオイドが分泌されます。そうすると、また新たな発見がしたくなり、ドーパミンがさらに分泌されるというわけです。

 ドーパミンが意欲や注意力に関係する一方、「セロトニン」は充足感や緊張の緩和を促します。この二つは体内で別々に作用しますが、どちらの作用が強くなるかは、寝る前にテレビを観るかどうかで決まります。夜にぐっすり眠るためには、神経伝達物質やホルモンのバランスが重要なのです。

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脳内セロトニンには、脳過労を回復させる働きがあります。康復医学学会の研究素材の一つ「ラフマ葉」は、その脳内セロトニンの産生を促す安心・安全な天然ハーブです。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年7月17日水曜日

薬は酵素阻害剤

効かないのに…と思いながら薬を処方

日本人の平均寿命は過去最高を更新し続け、現在女性は87才を超え、香港に次いで世界第2位です。日本人が世界で最も健康的な国民である理由の1つとして、多くの人は「医療の質の高さ」を挙げます。「海外の病院で診てもらいたい」「外国製の薬剤を飲みたい」と考える日本人はあまりいません。それだけ、日本人は「日本の医療」を信じているのです。
日本人は「薬信仰」とさえ言えるほど熱心に、薬をよく飲みます。例えば、近年インフルエンザ薬として話題のタミフル。実は、世界中のこの薬の約8割は日本で消費されています。欧米ではインフルエンザでは基本的に薬は不要とされ、家で安静に寝ていることが推奨されます。タミフルを飲んでも、期待できる効果は「1日早く熱が下がるかどうか」で、日本人がなぜそんなに熱心に抗インフル薬を飲むのか、海外では理解されていません。
 日本人研究者が世界の医薬品研究開発をリードしているのも、信頼感を増している理由でしょう。日本の医薬品の研究開発能力は、アメリカ、イギリスに次いで第3位だといいます。
 日本人の医療費は年間42兆円を超え、うち2割超の約10兆円が薬剤費(2017)。1人当たりの医薬品費等支出はアメリカ、スイスに次ぐ世界3位。薬剤師の数は人口1000人当たり1.8人で世界1位です。2位のベルギーとスペイン(1.2人)を大きく上回ります。
 日本人は、一人が服用する薬の「種類」が非常に多いのも特徴です。厚労省によると、74才以上の4人に1人が7種類以上、40~64才でも5人に1人が5種類以上の薬をもらっています。ちなみに海外では「1度の診察で1種類の処方」が基本。アメリカの研修医の教科書には「4種類以上飲む患者は、副作用で危機的状況にある」と書かれています。
「必要な薬をしっかり飲んでいるから日本人は長寿なのでは」と考える人もいます。しかし長寿世界1位の香港の薬局では、日本とは大きく違い、いわゆる「西洋薬」ではなく「漢方薬」が並んでいます。香港では、薬に頼る前に体にいい食べ物や漢方で健康を保とうという「医食同源」(薬食同源)の考えが根付いており、気軽に薬を飲んだりしません。「薬を飲む=健康になる」という考えではないのです。
 今回、雑誌「女性セブン」で、医師や薬剤師の計200人に大規模アンケート調査を実施。その中で、日本人が知らない"薬の真実"が浮かび上がってきました。例えば、《これまでに「実は効かないのに」と内心思いながら患者に薬を処方し、購入を促したことはあるか?》という質問に対し、「ある」と答えた薬のプロは、なんと半数にのぼったのです。
 日本人の間でも、薬に対する不信感がないわけではないのです。ある調査では、《処方された薬について「効果があまりない」と感じたことがある人》は約6割。さらに、ある製薬会社は、処方されたにもかかわらず年間400億円分の薬が捨てられているといいます。
 今、日本人と薬の関係が、見直される時がきています。
(出典:女性セブン2019.5.23日号)

■薬は、酵素の働きを阻害する

無農薬野菜にこだわる人が、一方でせっせと薬を飲む‥‥。西洋医療で使われる薬は、農薬と同様、私たちの体にとって間違いなく"異物"です。ピュアな化学構造でできている化学薬剤は、私たちの体が経験したことがない物質で、少なからず酵素阻害剤になっています。
 薬剤などの酵素阻害剤は、酵素が働く基質と似ているため、酵素とくっつき、酵素の働きを失活させてしまいます。そのため、体内酵素が大幅に減り、体を衰弱させてしまうのです。おまけに、この酵素阻害剤は、栄養素とミネラルの消化・吸収も妨害します。
 薬を長期間飲み続けると、病気で増えている腸の悪玉菌やウイルスがさらに繁殖し、症状が長引き、また、他の病気まで引き起こしてしまいます。当然、薬には数多い添加物も含まれています。体は、自然界に存在しないものを受け付けないようにできているのです。
 では、どうすればいいのでしょう。それは、風邪をひいたら熱を出し切り、体が本来持っている免疫力で、体内の病原菌を退治するのがベストの方法です。免疫細胞がウイルスと闘えるように熱を出してくれているわけですから、その熱を薬で下げてしまったら、自力での戦いができなくなってしまいます。鼻水や咳もウイルスの排除に働いてくれています。緊急の場合は仕方ないとしても、薬はあくまで症状を緩和するだけで、病気そのものを治してくれるわけではないことを知っておきましょう。
 腸内細菌の酵素は、善玉菌だけでなく悪玉菌も持っており、悪玉菌の酵素は、病気を生み出したり悪化させたりします。酵素阻害剤である西洋薬、この悪玉菌の酵素を阻害するのかもしれません。もちろん、まだ仮説の段階です。ただし、それが効いたとしても、薬は善玉菌の酵素もカットしますから、体にはダメージです。長期の飲用はやはり危険です。
 私たちの周囲には、酵素阻害剤があふれています。食品に混入されている重金属の鉛や水銀はもちろんですが、ショ糖や化学合成された添加物も酵素阻害剤です。
 西洋医療は、急性疾患と救急患者にはとても威力を発揮します。しかし、慢性の病気となるとこうした対症療法ではどうにもなりません。慢性疾患の治療にも、根本原因を放置したままの薬漬けによる対症療法を主とした治療を行ってしまいがちです。その薬を飲み続けた挙句は、副作用余病(新しい病気)の発症です。その余病も、原因となった以前の病気より恐ろしく怖いものになることが多いのです。

 いま、日本では薬による悲劇が繰り返されているのが現実です。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年7月10日水曜日

脳血管障害

ジャニー喜多川さん、逝く 

7月9日、ジャニーズ事務所の代表取締役社長・ジャニー喜多川氏が、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のため、東京都内の病院で死去しました(享年87歳)。

(出典:スポーツ報知)
解離性脳動脈瘤破裂とは、血管の中側である脳動脈の壁(内弾性板)が裂けて薄くなり、ふくらんで破裂し、出血した状態をいいます。
 動脈瘤には、脳の動脈の分岐部にできた風船状の嚢状(ほうじょう)動脈瘤と、脳の血管自体が膨らんでできた本幹動脈瘤群があります。脳の正常な動脈は内側から内弾性板(内膜)、中膜、外膜という3層構造で、正常な内弾性板は一番圧力に強い。ほとんどの動脈解離は内弾性板に大きな裂け目が生じ、中膜の中に血流が進入することで生じます。
 血管が破裂すると強い痛みが出て、くも膜下出血脳梗塞などを発症します。クリップで部位を留めたり、コイルを内部に入れ、再出血を予防します。高血圧、首周辺の圧迫による損傷、遺伝などが原因とされています。

 くも膜下出血とは、脳を覆うくも膜と軟膜の間のくも膜下腔に、破裂して出た血が入り、脳脊髄液の中に混入した状態。ハンマーで殴られたような強烈な頭痛や嘔吐などの症状が見られます。破裂前の解離性脳動脈瘤の時点なら治癒することもあるといいます。

 普通の脳のくも膜下出血の死亡率は約35%。うち解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で亡くなる方は約3%と少なく、死亡率も低いとされています。

 若い人でもくも膜下出血を起こす可能性があるそうです。動脈硬化を起こしている人がなりやすいと考えがちですが、遺伝的な要因も考えられ、まだ原因がはっきりしていません。酒やタバコも血管にはよくありません。
 動脈硬化のことを考えれば1日8000歩のウォーキング(5キロ前後)を勧めます。十分な睡眠をとってストレスをためないことも重要です。また、親戚でこの病気で亡くなっている人がいたら、5年に1度は脳ドックを受けた方がいいとされています。
(出典:https://hochi.news/ 他)

■脳血管障害と康復医学的対策

脳血管障害は、一般的には「脳卒中」とも呼ばれている血管及び脳血流の障害です。
思考や感情を含め、私たちが生きていくための身体の全ての活動を司る脳には、隅々まで血管が行き渡っています。これらの血管を流れる血液によって、脳に必要な栄養や酸素が届けられています。脳血管障害は、これらの脳の動脈が詰まったり破れたりして、脳の組織に栄養や酸素が十分に行き届かずに障害を起こし、その結果、手や足の運動麻痺や感覚鈍麻、ろれつが回らなくなる、頭痛、意識の低下などの症状が出てくる病気です。その症状の程度、残される障害は、詰まったり破れたりした脳の場所や程度により様々です。

 脳血管障害は突然の発作として現れることばかりでなく、初めはそれと分からないようなゆっくりした症状で始まることもあり、注意が必要です。また、中には脳のMRIなどの検査で、脳の血管が詰まったり、少し切れたりしていたことが偶然に見つかることもあり、これは無症候性脳血管障害(無症候性脳梗塞・無症候性脳出血・未破裂脳動脈瘤など)とされ、その場合、必ずしも治療が必要でない場合もあります。

脳血管障害の分類

脳血管障害は大きく分けると、脳の血管が詰まったり血流が悪くなるタイプの脳梗塞と、破れるタイプの脳出血(脳の内部で出血)、脳の表面でくも膜と軟膜の間に出血するくも膜下出血の3つに分類されます。
 脳梗塞はさらに、心臓の中にできた血栓(血のかたまり)がはがれ、脳まで流れてきて動脈を詰まらせる心原性脳塞栓症、脳内や頸の太い動脈が詰まるアテローム血栓性梗塞、細い動脈が詰まるラクナ梗塞、に分けられます。

康復医学における対処法

康復医学では、生薬などを使用して、血流の改善血管内皮細胞の保護・修復に対応します。微小循環の血流改善血栓対策には「HM-3000(特系霊芝)」が有効です。また、ストレスによる血流低下高血圧の改善には「ラフマ」を、さらに酸化ストレスに敏感な脳細胞の脂質過酸化物に対しては抗酸化作用の大きな「コエンザイムQ10」をおすすめしています。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年7月2日火曜日

認知症大綱

認知症施策推進大綱、閣議決定

2025年までの取り組みと目標がまとまる

2019年6月19日、認知症施策推進関係閣僚会議(第2回)が開催され、「認知症施策推進大綱」が取りまとめられました。この大綱は、2015年に策定された「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)の後継に当たります。
 大綱の対象期間は、団塊の世代が75歳以上となる2025年までとし、策定後3年をめどに、施策の進捗を確認します。
 薬局や薬剤師に関する内容では、地域包括支援センターなどと日常的に連携している薬局での早期発見・早期対応が期待できるなどと記載されました。
 また、かかりつけ薬剤師・薬局による継続的な薬学管理と患者支援のほか、かかりつけ医などと協働した高齢者のポリファーマシー対策など、薬物療法の適正化のための取り組みを
推進していくことが盛り込まれています。
 大綱では、新たに以下のKPI/目標が設定されました。
 ●「患者のための薬局ビジョン」において示す、かかりつけ薬剤師としての役割を発揮できる薬剤師を配置している薬局数……70%
 ●認知症対応力向上研修受講者数(薬剤師数)……6万人

 認知症対応力向上研修は、医療従事者などを対象に、高齢者などと接する中で、認知症の疑いがある人に早期に気付き、かかりつけ医などと連携し、認知症の人の状況に応じた服薬指導などを適切に行うことを狙いとしています。
 実績として、2018年3月末時点で約1万7000人の薬剤師が受講しており、これまでは2021年3月末に薬剤師数は4万人を目標に掲げていました。
 大綱は、基本的な考え方として、「認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、 認知症の人や家族の視点を重視しながら、『共生』と『予防』を車の両輪として施策を推進していく」と記載。
 共生とは、認知症の人が尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きるという意味であるとしています。また、予防とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」ことを意味しています。
 予防に関するエビデンスの収集・普及とともに、通いの場における活動の推進など、正しい知識と理解に基づいた予防を含めた認知症への「備え」としての取り組みに重点を置き、結果として、70代での発症を10年間で1歳遅らせることを目指すとしています。
(出典:https://medical.nikkeibp.co.jp/)

■認知症の予防 WHOが初の指針

日本で「認知症施策推進大綱」が閣議決定される1か月前の5月、認知症予防をめぐり、世界保健機関(WHO)が初の指針を公表しています。この中では、認知症予防に対して「運動習慣」を持つことや「禁煙」を強く勧めています。

 WHO指針の正式名称は「認知機能低下と認知症のリスク減少の指針」。WHOによると世界では約5000万人。今後も患者は増え、30年には世界で8200万人と予測され、指針の策定は各国に対策を促す狙いがあります。指針では各国のこれまでの研究結果を分析し、認知症に関わるとみられる運動や糖尿病など12項目について、推奨する度合いなどを示しました(右表参照)。
 日本の大綱に記されている「社会参加」については、認知症リスクを減らす十分な根拠は「ない」との評価。ただ、「社会参加は健康や幸福感に強く寄与する。社会的に孤立させないような支援をすべき」とも指摘しています。

 WHOによる今回の指針の公表は、英語など外国語のみ。厚生労働省は日本語版の作成を検討しています。厚労省の担当者は「指針は欧米の多くの研究に基づく。日本人にとっての効果はどうか、有識者に検討を依頼したい」とし、その結果も含めて来春の公表を目指しています。
 認知症の人が暮らしやすい社会を作り上げる「共生」も大切で、当事者や家族からは「認知症を他人事でなく、家族、自分のことと考えてほしい」との声が上がっています。

 日本の認知症大綱にしても、WHOの認知症指針にしても、予防を「認知症にならない」という意味で扱うことはなく、さらに、「症状を軽減する」「認知症を治す」という観点からは、程遠い内容と言わざるを得ないのが現状です。

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康復医学学会 森昌夫理事長の研究から生まれた新開発サプリメント(右写真)。すでに事実として認知症の症状が緩和・改善している症例が数多く報告されており、製品を取り扱っている業者によると、ネット販売サイトを通じて、アジアやアメリカはもとより、遠くドミニカ共和国などからも注文が寄せられているとのこと。

 現状、認知症の改善に関する薬品の開発が滞る中、本製品の効果への期待は高まるばかりです。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年6月26日水曜日

がん対策




がん罹患率トップは長崎県で最下位は沖縄県、「全国がん登録」初集計

2019年1月、厚生労働省から2016年の「全国がん登録」の結果が報告されました。同年に施行された「がん登録推進法」に基づき、国主導でがん患者をデータベース化したもので、初の集計結果となります。

 性別不詳を含め、2016年に新たにがんと診断された患者は99万5132例(男性56万6575例、女性42万8499例)でした。
 臓器別の男性1位は胃がん(16.4%)で、前立腺がん(15.8%)、大腸がん(15.8%)、肺がん(14.8%)、肝臓がん(5.0%)が続きました。女性は乳がん(22.1%)、大腸がん(16.0%)、胃がん(9.8%)、肺がん(9.7%)、子宮がん(6.6%)でした。
 興味深いのは、同じ日本国内でも罹患率(がんになる割合)に地域差があることです。男女の年齢調整罹患率のトップは長崎県で、人口10万人当たり454.9人、次いで秋田県が446.3人、香川県436.7人でした。最も低い都道府県は沖縄県で356.3人、次いで愛知県の367.5人、長野県が367.6人でした。

 部位別でも地域差があります。たとえば胃がんの罹患率は、全国で人口10万人当たり48.2人に対し、新潟県74.7人、秋田県70.3人など、寒さが厳しい日本海側の地域が上位を占めました。一方、肝臓がんは全国の14.7人に対し、佐賀県が21.6人、愛媛県20.7人、福岡県20.6人など、近畿以西から四国・九州地方に多い傾向が認められています。
 胃がんリスクである塩分過多の食生活や、肝炎ウイルス感染者が多い地域など、以前から指摘されてきた危険因子の影響が如実に表れました。今後は各地の実情に沿った対策が求められるでしょう。

 国立がん研究センター・予防研究グループによる「日本人のためのがん予防法」では、
(1)禁煙(受動喫煙を含む)
(2)節度ある飲酒
(3)食塩は最小限に、野菜や果物を食べ、熱い飲食物を避ける
(4)1日60分以上の身体活動
(5)適正な体格指数(BMI)の維持
(6)肝炎ウイルス、胃がん予防につながるピロリ菌感染の有無を知り、適切に処置する
の6点を推奨しています。
※がん予防法パンフ ⇒ https://epi.ncc.go.jp/files/02_can_prev/150303E4BA88E998B2E38391E383B3E38395s.pdf

 個人的ながん対策も怠りなく。
(出典:https://diamond.jp/)

■"霊芝" がん対策の可能性

「霊芝はがんに対してすべて有効に働く」などと断定することはできません。しかし、霊芝に関する様々な研究では、がん対策に有効と思われる成果も多く、活用次第では思わぬ効用もあります。以下のような研究や可能性は知っておいて損はないところだと思います。

霊芝の有効成分など

●霊芝の特徴である苦味は、特異成分であるガノデリン酸(トリテルペノイド類)によるものです。ガノデリン酸は、がん細胞の増殖阻害活性が見いだされている成分です。

●200種以上の霊芝多糖類(β-D-グルカンなど)には、抗腫瘍をはじめ、双方向の免疫調節、抗酸化、肝組織の修復など、数多くの作用・効用が実証されています。

●キノコにはその生育中に特定元素を吸収し集積する特性があることが知られていますが、霊芝は特にGe(ゲルマニウム)の吸収と濃縮が著しいことが指摘されており、高単位のGeを含みます。霊芝に含まれるGeによって、体の中でインターフェロン*を誘起させる機能を高め、制がん効果を表すといわれています。また、Geには鎮痛作用も認められています。霊芝を長期間服用することにより、インターフェロンの産出能が高く維持され、がん細胞の自然退縮を促す可能性があります。
*インターフェロンとは:もともと人間の身体には"自然治癒力"が備わっているが、その能力に直接的に
も間接的にも働く物質がインターフェロンである。このインターフェロンには、免疫能を高める働きの他に、
強力な抗ウイルス作用や、がん細胞に対する抑制作用のあることも知られている。

レクチンという糖たんぱく質が、がん細胞のアポトーシス(細胞死)誘導活性を促すことがわかっています。植物や動物由来のレクチンに比べて、菌類(キノコ類)の研究は浅く、成果も少ないのですが、霊芝からはいくつかのレクチンが分離精製され、それらの特性が明らかになっています。

がん対策に有効な霊芝の作用

▶微小循環の血流改善
 体内環境を改善し、転移・浸潤の可能性を減らす。
▶免疫の調整作用
 生体機能恒常性の維持に影響を与え、腫瘍マーカー改善に導く。
▶酸素供給量の促進
 低酸素下では嫌気性であるがん細胞は細胞死しにくく、治療にも大きな障害になっている。霊芝は、酸素の供給量を増やす物質2,3-DPGの産生を促進してがん細胞の増殖を抑え細胞死を促す。
▶血栓の抑制
 がんによるストレスは血栓による副作用が起こる。しかし、血栓の溶解は異常出血の原因にもなる。霊芝は次々と形成される血栓の抑制に働く。
▶貧血対策
 がんは、治療の過程で造血系に影響が出る。そのため貧血になりやすく、細胞を低酸素状態にする。霊芝は造血前駆物質の活性を促す。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

2019年6月19日水曜日

食中毒と腸内環境

食中毒は減っていない!

梅雨時から夏にかけては、気温・湿度が共に上昇し、細菌が繁殖しやすくなります。それだけに一年で最も食中毒に気を付けなければならない時期です。食中毒は、腹痛、下痢、嘔吐などの不快な症状が重なり、時には生命が奪われることもあるだけに、油断はできません。 近年、冷凍・冷蔵技術が進歩したため、食中毒は減っているように思われています。ところが厚生労働省の統計調査では50年以上にわたり、毎年25,000~40,000人もの食中毒患者が発生しているのです。
 食中毒にはきのこやふぐの毒によるものなどもありますが、原因の大半は、細菌性のものです。こうした細菌をいかに繁殖させないようにするかが重要です。
 また同じものを食べても、食中毒を起こす人と起こさない人がいます。その違いは免疫力の差です。それだけに日頃から免疫力を低下させない生活を心がけることも、予防の大切なポイントです。
 食中毒は飲食店での発生が多く、家庭での発生率は20%程度。しかし保健所などに報告されていない、家庭での軽い食中毒の発生数は、実際には非常に多いと考えられています。冷凍庫付き冷蔵庫が普及した結果、食品保存が容易になり、それが油断につながります。
食中毒の原因となる細菌には、次のようなものがあります。

 最近は輸入食品が増え、また海外旅行での感染も少なくありません。日本ではあまり見られない細菌もあるので、知らない食品を生で食べるのはやめましょう。
(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/) 

■腸内環境を整えて、食中毒を遠ざける!

細菌が付着した食物を食べても、食中毒になる人とならない人がいるのは、免疫機能の違いによるものです。人は、悪影響を及ぼす菌などを撃退する免疫力を備えており、乳幼児やお年寄りなど免疫力が弱い人やお腹の調子が悪い人は、中毒を起こしやすくなります。日頃から免疫力を強くすることも大事な予防法の一つです。

腸内環境が免疫力を左右する

免疫力のカギを握るのが腸です。腸には、体内の免疫細胞の約6割が集中しているといわれています。健康的な腸内環境は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が活発に機能しており、悪玉菌などがあまり活動していない状態です。善玉菌は乳酸や酢酸などを生み出し、腸内を酸性にします。これが悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染を予防するほか、発がん性物質を抑制する腸内環境をつくります。腸内の善玉菌を増やすのに効果的なのが野菜です。特に「食物繊維」の豊富なさつまいも・切り干し大根・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・モロヘイヤなどはオススメ。「オリゴ糖」も善玉菌を増やす力があり、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品に多く含まれているので、積極的に食事に取り入れていきましょう。

控えるべき、腸内環境を乱す食品

戦後の食生活の変化を一言で表現すれば、「三白食品の氾濫と肉(牛乳)の過食」にあると言えます。三白食品とは、白米(精白パン)、白砂糖、添加物のこと。白米(精白パン)と白砂糖は、ビタミン・ミネラル・酵素・食物繊維の大半を削り取られているため、腸内から排泄されにくく、消化酵素の活性鈍化、腸粘膜の機能失調を招き、その結果、腸内で異常発酵を起こして腸内腐敗を助長してしまいます。また、添加物はその大半が不自然な化学合成品なので、腸内フローラを乱すもとです。また、マーガリンやショートニングに使われているトランス脂肪酸も、細胞内の生化学構造を狂わせ、腸内環境に多大な悪影響を与えます。
 悪玉菌が大変好む肉や牛乳は、悪玉菌を繁殖させ、腸内を腐敗させます。当然、便は強烈な悪臭を発します。この悪臭成分には、硫化水素、アンモニア、インドール、ニトロソアミン等があり、肝臓を傷めたり、発ガン物質となったりします。これらの毒素が血液を汚し、生活習慣病の元凶となっているのです。
ほかに、腸内フローラを乱す要因として、冷え便秘暴飲暴食薬の乱用睡眠不足、それに忘れてはならないストレス等があります。

 腸内細菌は、ビタミン・ホルモン・タンパク質・酵素を合成し、消化吸収に加え、免疫機能にも大きく関わります。腸内環境を乱す要因をできるだけ少なくして、免疫機能を高めることは、食中毒の予防になり、ひいては健康寿命を延ばすことにつながるのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

2019年6月12日水曜日

PM2.5

大気汚染による死亡数、喫煙を上回る

世界疾病負担研究2015による推定値の2倍に

独マックス・プランク化学研究所の研究者らは、大気汚染による死亡を新たなモデルで検討。その結果、世界の大気汚染による死亡数は年間880万人(推定値の約2倍)と推定され、、喫煙による死亡数を上回ったとEuropean Heart Journal(20190312オンライン版)に発表しました。

欧州では79万人、40~80%がCVDで死亡

研究者らは世界保健機関(WHO)の人口密度、地理的情報、年齢、各種疾患の危険因子、死因などに関するデータと、16カ国41件のコホート研究に基づく新たなモデルを組み合わせ、大気汚染による死亡について検討しました。
 その結果、大気汚染による年間の直接および間接的死亡(超過死亡)数は欧州全域で79万人、欧州連合(EU)の28カ国では65万9,000人と算出。世界では880万人と算出され、世界疾病負担研究(GBD) 2015の推定値(450万人)の約2倍に及んでいます。

 また、世界の大気汚染による年間超過死亡率が人口10万人当たり120人であったのに対し、欧州ではこれを上回る133人となり、大気汚染は欧州人の平均余命を約2.2年短縮すると推定されました。

 欧州の大気汚染による超過死亡の原因は、虚血性心疾患(40%)が最も多く、脳卒中(8%)と合わせて少なくとも48%の死因が心血管疾患(CVD)でした。さらに、死因の32%を占めるその他の非感染性疾患も心血管疾患に関連すると見なされるとし、これらも合わせるとCVDが大気汚染による死因の40~80%を占めると推定されました。

 研究責任者で独ヨハネス・グーテンベルク大学マインツのThomas Munzel氏は「WHOは2015年の喫煙による超過死亡数を720万人と推定している。つまり、今回の結果は大気汚染による超過死亡が喫煙による超過死亡より多いことを示している。喫煙は回避できるが、大気汚染は個人の努力では回避できない」と指摘。「大気汚染による呼吸器疾患とCVDの主な原因は、微小粒子状物質(PM2.5)である。現在、EUにおけるPM2.5の年間平均濃度限度値は25μg/m3なので、これをWHOガイドラインの10μg/m3に引き下げるべきだ」と強調しています。

 また、今回の研究者の一人は「欧州では、大気汚染物質の大半が化石燃料の燃焼により発生している。再生可能エネルギーへの切り替えにより、欧州の大気汚染による死亡率が最大55%低減できる」と述べています。
(出典:https://medical-tribune.co.jp/) 

■PM2.5と循環器疾患の発生・増悪

日本国内では大気汚染物質のうち、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化窒素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質について大気環境基準が定められています。70年代に環境基準が設定され、ガス状汚染物質や浮遊粒子状物質の濃度は大きく減少しました。一方、粒径が2.5μm以下のPM2.5は、粗大粒子よりも肺の奥深くに沈着することからその健康影響が懸念され、09年9月に環境基準が設定されました。そして、PM2.5の健康影響に関する国内外の疫学的知見がまとめられました。欧米を中心に循環器疾患に対する影響の知見は多いのですが、日本国内での疫学知見はほとんどなく、最近ようやく認識されはじめている状況になってきています。

 動物実験や毒性学的研究により、呼吸により肺に吸入されたPMから循環器疾患の発症や既存の循環器疾患の増悪に至るまでには以下の3経路が考えられています。
  ① 肺組織での酸化ストレスと炎症を介する経路 
  ② 肺の知覚神経終末や受容体を介する経路 
  ③ PMやその成分が直接血管内へ移行する経路

 PMへの曝露により,肺胞洗浄液や血液中の炎症性サイトカインが増加することが報告されています。肺局所で放出された炎症誘発物質(サイトカインなど)や生理活性物質が全身循環に広がり、血管系や凝固系へ影響を及ぼす可能性があります。これまでの多くの動物実験より、PM曝露による肺の炎症の程度が、全身のサイトカインレベルや血管の機能不全と相関することも観察されています。このような炎症を介して、動脈硬化の進展やプラークの脆弱化をきたし、最終的には循環器疾患の発症に関わると考えられています。
 一方ラットへのPM曝露により心拍変動の減少がみられ、ヒトへの曝露実験でも同様の変化が観察されました。これはPM曝露による急性の反応であり、自律神経のアンバランスを介して不整脈を起こしやすくし、血管収縮や内皮機能不全をきたすと考えられています。

吸い込まれたPM2.5の行方

気管、気管支に達したPM2.5

気道の表面(上皮)の粘液に溶けやすい成分は、 細胞から血液中に吸収されます。不溶性粒子は、食道に飲み込まれるか、痰としてはき出されます。

肺胞に達したPM2.5

不溶性粒子の一部は肺胞マクロファージに"食べられ"、その後、マクロファージが気管支末端まで移動します。また、不溶性粒子の一部は、そのまま肺組織に沈着します。そして、溶けやすい成分は、血液中に吸収されて全身を巡ることになります。


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愛・感謝 村雨カレン