2021年5月27日木曜日

断糖高脂質食ダイエット

 運動ゼロ、脂質メイン食でダイエット?

 ダイエットというと継続的な運動を頑張ったり、カロリー制限で空腹を我慢したりなど、「我慢と努力なくしては痩せない」イメージがつきがち。 食事も1日のカロリーを制限しなければいけない、と考える方が多いのではないでしょうか。

 ダイエット本『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速"脂"ダイエット』(扶桑社)では、食べるものを変えるだけで、運動や空腹の我慢は必要ないと言っています。

 著者の金森重樹氏は、糖質をカットし、脂質メインの食事にするという「断糖高脂質食」を実行しただけで、たった2ヶ月で90kg ⇒ 58kgと、32kgの減量に成功。 その体験をTwitterで公開したところ、みるみるうちにフォロワーは12.3万人(2021年4月2日現在)を突破しました。 いまも「#金森式」ダイエットとして、体型が気になる人たちの間でブームを巻き起こしています。

 金森式ダイエットの要は、糖分を絶ち、脂質をたっぷりと食べる「断糖高脂質食」。 糖質を摂取すると、血糖値が上昇し、それを抑えるためインスリンが分泌されますが、インスリンには使い切れなかったブドウ糖を中性脂肪として蓄える働き、脂肪の分解を抑制する働きがあるため、結果的に「糖質を摂ると肥満になる」と金森氏は考えています。

 また糖質は依存性が高く、次々と食べたくなるのが特徴。そのような働きがある糖質をまずは断捨離して、その代わりにたっぷりと脂質を摂り、体の燃料を糖質から脂質にシフトしようというものです。

 一日に摂取する糖質を限りなくゼロに近づけたら、肉、サバ缶、卵、牛脂を主食にしていくのです。また、本書では食事の回数は一日に1.5食にする、というスタイルが提唱されています。

 実際に金森氏がよく食べている食事パターンは、〔朝〕生クリームとMCTオイル入りの紅茶、〔昼〕サバの卵炒め ※夜は食べないのでカット

というもの。この内容でも、空腹感は全く感じないそうです。

 この本には、一見難しそうに感じられるかもしれない“断糖高脂質食”のレシピが収録されています。その中には、「溢れ出る肉汁が止まらない!牛脂をたっぷり使った肉巻きハンバーグ」などもあります。他にも「ゆで豚」「焼サバのグラタン」「卵と小松菜のキッシュ」など、メインになるおかずのレシピのほか、「紅茶ゼリーの生クリームかけ」「やみつきになるチーズせんべい」など、金森式ダイエットの実践に役立つレシピが載っています。

 ジムで運動したり、カロリー計算がいらないというのは、今までのダイエットで挫折した方にも魅力的なのではないでしょうか。今までになかった「断糖高脂質食」の食事法に興味がある方は、ぜひ「#金森式」ダイエットに挑戦してみては‥‥。

(出典:https://mainichi.jp/)


■糖質制限ダイエット

 糖質制限ダイエットのメリットは、

 ①効率よく体重を落とせる ②筋肉の減少を抑えられる ③きちんと食事が取れる

 などが挙げられます。

 一方で糖質制限ダイエットのデメリットはというと、食物繊維が不足しがちなことです。炭水化物は糖質と食物繊維から構成されているので、主食と言われるご飯やパンといった炭水化物を制限すると、その分、食物繊維の摂取量が減ってしまいます。

 糖質の代わりのエネルギー源として中性脂肪が分解されるとケトン体というエネルギーに変わります。ただこのケトン体、かなり強い酸性物質という問題点があります。生体内には酸塩基平衡という、血液中のpHの濃度を一定に保つ仕組みがあるので普段であれば何ともありませんが、身体の調子を崩してそのバランスが壊れるとケトアシドーシスという意識障害を伴う危険な状態に陥る恐れがあるのです。

 そのほかにも、低糖質の食生活は脳卒中や心筋梗塞、肝機能障害、腎機能障害、のリスクが高まるという指摘もあります。

 上記の理由から過剰な糖質ダイエットは危険で、1日の糖質量が130g以内の、ゆるやかな糖質制限が奨励されています。


カロリー制限だけに頼ったダイエットの失敗・リスク

●栄養不足に陥り体調を崩す

  カロリー制限だけで痩せようとすると、必要な栄養素が摂れず、栄養素失調になる恐れがあります。その結果、様々な体調不良につながります。例えば、鉛やマグネシウムの不足で、筋肉がつる、肌のツヤが悪くなる、口内炎ができやすい、髪の毛がパサつくなどの変化が。ほかに、生理不順や貧血も引き起こします。

●ホルモンバランスを崩し痩せにくくなる

  食事制限で必要な栄養素が摂れていないと、代謝を上げるホルモンを作るのに必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルも不足してきます。そのため、「頑張っているのになかなか痩せられない」といった事態に陥ることがあります。

●筋肉は減るが脂肪が減らない

  食事制限によって、筋肉をつくる材料となるタンパク質が不足することも考えられます。ダイエットでは体重を減らすことよりも脂肪を減らすことが重要です。しかし、たんぱく質が不足すると筋肉量ばかりが減り、体重は落ちているのに脂肪は減らないままという事態に陥ってしまいます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年5月19日水曜日

飲酒の有害度

 酒は百薬の長にあらず‥‥

 新型コロナウイルスが日本に上陸してからの間、使われる頻度が増えた言葉に「行動変容」があります。「感染拡大防止には、三密回避など国民の行動変容が不可欠」、といった使われ方です。ただ、この言葉は従来、「適度な運動や食生活の改善」など、生活習慣病予防の文脈で出てくることが大半でした。

 食生活の行動変容の中で難しい一つが、「節度のある飲酒」です。特に今は、外出自粛や在宅勤務のストレスで、家での飲酒量の増加が懸念されています。

 酒は百薬の長。適量の飲酒習慣は健康に良い――。そう思っている人は多いはず。根拠はあります。1980~90年代に行われた国内外の複数の研究で、アルコール摂取量が1日平均20g程度の人は、飲まない人よりも死亡リスクが低い、という結果が出ました。厚生労働省が定めた健康の目標値『健康日本21』でも、「節度ある適度な飲酒」は純アルコールで1日平均20g程度。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合にほぼ相当します。

 ところが、2018年8月、酒好きにはショッキングな研究結果が英医学誌『ランセット』に掲載されました。1990~2016年の195の国・地域におけるアルコール消費量と、死亡、がんや心臓などの病気、けが、自傷などとの関係を分析したところ、健康への悪影響を最小限に抑えるアルコール量は、ゼロ。つまり、「まったく飲まない方が健康には良い」という結論になったのです。

 酒の害を示す報告や研究は、実はたくさんあります。2010年に『ランセット』に掲載された報告では、英国の専門家たちが20の薬物の害を、死亡率や病気、けが、依存性、犯罪、家族関係など16の基準で採点しました。結果は、ヘロインやコカインなどの薬物を抜いて、アルコールが最も有害だったのです(たばこは6位)。

 国内研究も多く存在します。1日23gのアルコール摂取を10年続けると、がんのリスクが5%上がります(食道がんは4倍以上)。脳のMRI(磁気共鳴画像)の膨大なデータで飲酒習慣との関係を調べると、酒を飲む人ほど脳の萎縮が進んでいました――。

 いずれも科学的根拠のあるデータ。事実は事実として受け止めるしかありません。受け止めはしても酒をやめるつもりはないという人は多いでしょう。数十年もの間、自分の喜怒哀楽に付き合ってくれた酒に、害を上回る"益"を感じていることでしょうから‥‥。

(出典:https://www.yomiuri.co.jp/)


■アルコールから肝臓と脳を守る方法

 国内のアルコール依存症者数は、その手前の予備軍まで入れると1千万人を超えるといいます。にわかには信じがたい数字ですが、毎日の晩酌が習慣になっている人も、医学的には「予備軍」に入ります。実は医学の世界では、アルコールは立派な「薬物」。薬の安全性の目安となる安全係数でみれば、アルコールは10段階の4にあたります(数値が高いほど安全で、3以下は「危険な薬」)。特に最近登場した「ストロング系」に至っては、危険ドラッグといっても過言ではありません。

 東京アルコール医療総合センターのセンター長・垣渕洋一氏は、著書『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』(青春出版社)の中で、飲酒を完全にやめてしまう“禁酒”をすすめており、これが次世代の常識になると語っています。

「百薬の長」と言われるお酒ですが、精神的な効用は多少あっても身体的な効用はゼロ。肝障害といった病気だけでなく、家庭でのDVや職場での勤怠問題など、人生に暗雲をもたらす一要因となっています。しかも、飲酒問題は加齢と共に深刻化するそうで、リタイア後に酒で身を持ち崩す人は少なくないのです。


アルコールが引き金となる病気

■消化器系 

 肝疾患(脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝硬変)、膵炎、胃食道逆流症、マロリーワイス症候群、急性胃粘膜病変、門脈圧亢進性胃炎、下痢、栄養などの吸収障害、痔核

■循環器系

 心筋梗塞、心不全、高血圧、脳梗塞、脳出血、不整脈、末梢血管障害

■生活習慣病

 がん、心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、メタボリックシンドローム

■神経・筋肉系

 アルコール性末梢神経障害・ウェルニッケ脳症・眼振・失調性歩行・アルコール性小脳失調症

■その他の機能低下

 集中力・判断力、認知機能、学習能力

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 もしあなたに毎日飲酒する習慣があるのなら、微小循環を改善し、脳の抑制性神経伝達物質を増加させ興奮性神経伝達物質を減少させる「霊芝」でさえも、肝臓と脳の機能低下を完全に抑えることはできません。体と脳をしっかりと守りたいなら“禁酒”しかないのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年5月12日水曜日

体の冷え

 "ストレス冷え"にご用心!

 冷えは万病の元と言われますが、冷えの自覚症状のない人やさまざまな症状の背後に冷えが存在していることもあります。

 東京女子医科大学 東洋医学研究所の木村容子准教授は、「手足などの末梢の血流は、自律神経の働きによって調節されているので、ストレスがかかって交感神経が緊張すると、末梢血管は収縮して血行が悪くなる。手足がなかなか温かくならない人は、自律神経の働きが乱れているために血流の調節がうまくいっていない可能性がある。これを"ストレス冷え"と私は呼んでいる」と話します。ストレス冷えはこの他にも、冷えの自覚症状はあるのに診察しても冷えがない人、逆に足が氷のように冷えていても自覚症状がない人など、冷えの認識にずれが生じていることもあると言います。

 冷えは本人が自覚的に感じる症状ですが、客観的な評価もされています。例えば、冷え症の人が寒冷刺激を受けた場合、冷えを訴える部位の血流量は減少し、実際に皮膚温の低下が認められるという報告があります。また、手足の冷えを訴える人では、寒冷刺激を受けた際に皮膚温の回復が遅延している場合があります。一般的に女性に冷え症が多いということがわかっています。

 女性の冷えは、女性ホルモンの乱れから自律神経に変調をきたすことも多く、このような場合は、冷えだけでなくのぼせの症状も表れます。また、甲状腺の機能低下、貧血、低血圧、膠原病などによって、冷えの症状がみられることがあります。病気による冷えは、原因に対する治療が重要です。冷えの症状が続くときは、医療機関に相談しましょう。

 そのほか、肩こり、頭痛、腰痛、不眠、むくみ、疲れやすい、やる気や元気がない、肌のくすみやしみ、乾燥なども、実は冷えによって起きやすい症状です。不調を訴えて受診しても体が冷えていることに気づいていない人は多く、注意が必要です。

 以下のような生活が習慣になっていると体を冷やします。

 ▲朝食は抜くことが多い

 ▲冷たい飲み物や食べ物を年中食べている

 ▲運動不足である

 ▲夜更かしや昼夜逆転の生活をしている

 ▲入浴はシャワーのみ

「朝食を抜くと体温が上がる機能は働かず、筋肉不足では熱が生み出せない。昼夜逆転は日内リズムを乱して、日中に体温が上がらない人もいる。便利な生活がかえって冷えを助長している可能性がある」(木村准教授)。

 強いストレスによって自律神経の働きが乱れると、体温調節がうまくいかなくなり、冷えやすくなります。また、便利な生活や加齢によって、誰にでも冷えが起きる可能性があります。放っておくと身体や精神の諸症状、美容面にも影響します。患部を温めるだけでなく、生活全般を見直して冷えをもたらしている原因にも気をつけましょう。

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■冷えた体内では何が起こるのか

【血流が悪くなる】

 体の冷えによって血管が収縮すると、血流が悪くなります。血流が滞ることで毛細血管まで温かい血液が流れず、手足が冷えてしまうのです。また、人間の体は冷えると内臓を先に温めようとして、血液は体の中心に集中します。そのため、末端の手足に十分に熱が行き届かないというのも、手足の冷えが慢性化しがちな原因のひとつです。

【老廃物が溜まる】

 冷えで血流が悪くなると代謝が低下し、体内には老廃物が溜まりやすくなります。また、お尻や太ももに老廃物が蓄積されると、女性の敵「セルライト」というかたまりになることも。肥満や生活習慣病の原因にもなりえます。

【免疫機能が低下する】

 体温の低下によって、免疫機能も低下します。冷えによって疲労を感じやすくなったり、風邪を引きやすくなったりするのもこのためです。免疫が低下したままだと、生活習慣病やアレルギーといった病気につながる可能性もあります。


熱エネルギー(体熱)は代謝によって産み出される

 代謝とは、摂食によって栄養素を摂り込み、その栄養素から他の物質を合成したり、エネルギーに変換したりすること。酵素の働きによって起きる体内での化学反応です(右図参照)

※同化と異化:「同化」とは栄養素を体の修復や成長といった体作りに役立てること。新陳代謝は同化に属する。「異化」とは栄養素をエネルギーに換える(ATPを合成する)こと。


 ポイントは、代謝がなされる際には、セットで熱エネルギー、つまり体熱が産み出されるということです。

 筋肉の稼働、肝臓における三大栄養素の代謝やアルコールなどの解毒処理、胃腸の消化吸収、腸の蠕動運動、体の修復(細胞の修復)など、広い意味での代謝が発生する際には、エネルギーとしてATP(アデノシン三リン酸)が使われます。このATPというエネルギーが使われるときに(ATPが生成される過程も含め)、体熱が発生します。

 運動をしたときに体が熱くなるのは、まさにこの熱エネルギーによるものです。有酸素運動をした際に体が熱くなることを "脂肪が燃える" とよく言われますが、厳密には、「酸素と脂肪酸(メインは糖質)を利用してATPが生成され、そのATPを利用して代謝が行われたときに熱が発生し、体が熱くなる」ということなのです。

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 当学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」は末梢血管に働き、血流を促して体の冷えを改善します。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月28日水曜日

痩せ女性の栄養問題

 痩せの若年女性に多い“肥満者体質”

 順天堂大学大学の研究グループは、日本人の痩せ形の若年女性では食後高血糖につながる耐糖能異常例が多く、その原因として、肥満者と同様にインスリン抵抗性脂肪組織の異常が生じていることを世界で初めて明らかにしたと発表しました(米・内分泌学会雑誌J Clin Endocrinol Metab 1/29オンライン版)。研究グループは「十分な栄養と筋肉量を増やすような生活習慣の改善が重要」としています。

 欧米諸国では、若年層での肥満の増加に伴い耐糖能異常例が増加、肥満若年者に対する減量指導が推進されています。日本では、BMI値18.5未満の痩せた女性の比率が約20%と先進諸国で最も高く、肥満と同等に糖尿病のリスクが高くなっています。ただし、それは中年以降を対象とした研究に限られ、痩せた若年女性と糖尿病リスクとの関連は不明でした。

 そこで研究グループは、痩せた若年女性における耐糖能異常の割合とその特徴に関する調査を実施。対象は18~29歳で痩せ形(BMI16.0~18.49)の女性98例と標準体重(BMI18.5~23.0)の56例。75g経口糖負荷試験により、耐糖能異常(糖負荷2時間後140mg/dl以上)の割合を調べました(各種測定やアンケート含む)。

 その結果、耐糖能異常の割合は、標準体重の1.8%に対し、痩せ形では13.3%と約7倍でした。この比率は米国の肥満者で耐糖能異常が見られる割合(10.6%)よりも高率です。さらに、痩せ形の若年女性の特徴として、エネルギー摂取量や身体活動量、筋肉量がいずれも少ないことが明らかになっています。

 次に、痩せ形若年女性の耐糖能異常の特徴を解析したところ、インスリン分泌の低下だけでなく、主に肥満者の特徴であるインスリン抵抗性が生じていました。また、痩せているにも関わらず、脂肪組織から全身に遊離脂肪酸が溢れ出て、ばら撒かれている状態を呈していました。体力レベルが低く、糖質からのエネルギー摂取割合も低い一方で、脂質からの摂取割合は高いことがわかりました。

従来、インスリン抵抗性は肥満に伴って出現するもので、痩せ形の糖代謝異常はインスリン分泌障害が主体であり、インスリン抵抗性との関連はないと考えられてきました。しかし、今回の結果から、痩せ形の若年女性における耐糖能異常にも、肥満者と同様にインスリン抵抗性や脂肪組織障害が生じる『代謝的肥満』が存在することを世界で初めて示したのです。

 痩せ形の若年女性の多くは、食事量も運動量も少ない「エネルギー低回転タイプ」であり、それに伴い骨格筋量も減少しているため、研究グループは「十分な栄養と運動により筋肉量を増やすような生活習慣の改善が重要と考えられる。また、耐糖能異常の病態には、インスリン抵抗性も関与する可能性が示された」と指摘。昨今の研究で、インスリン抵抗性は運動や脂質の摂取割合を減らすことで改善することが示唆されているとして、「糖尿病の予防には、そうした生活習慣の見直しが必要と考えられる」と結論づけています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)


■痩せ願望が引き起こす栄養問題

 多くの若い女性が持つ「痩せ願望」やダイエット指向。実はその多くが痩せる必要がないのに、偏食や極端なダイエットを繰り返しています。女性の「痩せ」の問題が改善しない背景には、適切な体形についての認識不足や「痩せているほうがいい」という価値観の普及、様々なダイエット法の氾濫など様々な因子が影響を及ぼしていると考えられます。そして誤ったダイエットによる偏った食事は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高めます。


栄養不足になりやすい

 鉄欠乏やそれに伴う貧血は、だるい・疲れやすいといった自覚症状や発育障害などをもたらします。鉄欠乏を防ぐには鉄を豊富に含む赤身の肉や魚、ほうれん草などの緑葉野菜をしっかり摂り、その吸収を高めるビタミンCの豊富な果物なども組み合わせて、バランスの良い食生活を送ることが大切です。月経のある20~40歳代の女性では、鉄は1日に10.5mg摂ると不足のリスクが少なくなると考えられていますが、実際には多くの女性で不足していることが指摘されています。無理なダイエットや偏った食事は、鉄以外にも健康を維持する上で大切な栄養素の不足を招きます。また「食べない」といった無理なダイエットを繰り返すと、エネルギーを体脂肪として蓄えやすい体質になります。


「痩せ願望」が引き起こす病気

 さらに「痩せ願望」が深刻化すると、「神経性食欲不振症(拒食症)」や「過食症」を招く恐れがあります。いずれも摂食障害ですが、前者は太ることを恐れて食物を避けるために極端な痩せを伴います。多くは思春期から青年期早期にかけて発症すると考えられています。後者は週に数回・数ヶ月間にわたる過食と、体重増加を防ぐための不適切な代償行動(嘔吐、下剤の使用など)の両方が存在し、拒食症よりは発症が遅い傾向があります。

 摂食障害が慢性化すると、無月経や低血圧・不整脈など多くの健康障害を招く恐れがあります。摂食障害の要因には、強い「痩せ願望」以外にも不安やストレスなど精神的な要因もあります。まずは適切な体重を理解し、誤った「痩せ願望」を持たないようにしましょう。また食べること以外に、運動や趣味などの時間を持ってストレスを解消してみましょう。


次世代の子どもへの影響も

 日本では低出生体重児(2,500g未満)の割合が増えていますが、その背景の一つに若い女性の痩せや妊娠中の体重増加不足があると言われています。小さく生まれてきた子どもは、エネルギーを溜めこみやすい体質であるため、成人後に生活習慣病(高血圧・糖尿病など)にかかりやすいと考えられています。

 妊娠に気づいてからではなく、妊娠する前からの適切な食生活が、自身の健康の維持・増進と、将来生まれてくる子どもの健康にとってとても大切です。適正体重の維持とバランスのとれた食生活の確立を目指しましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月23日金曜日

脳腫瘍

脳腫瘍・悪性脳リンパ腫

 頭蓋骨の内側にできた腫瘍の総称を「脳腫瘍」と呼びます。頭蓋骨の中は、脳実質と呼ばれる脳本体を中心に、脳実質外の組織である、脳を包む膜や脳神経、下垂体などで構成されていて、これらの各部位から様々な種類の腫瘍が発生します。

 脳腫瘍は、その場所から生じた「原発性脳腫瘍」と、体の他の部位のがんが転移してきた「転移性腫瘍」とに分けられます。原発性脳腫瘍については、検査を経てさらに150以上に分類される他、良性腫瘍と悪性腫瘍にも大別されます。良性腫瘍と悪性腫瘍では発症する部位が異なり、腫瘍の増殖速度は良性のほうが遅い傾向があります。脳腫瘍の患者数は10万人に10~15人程度とされ、あらゆる世代に見られるのが特徴です。

 原発性脳腫瘍の主なものに、神経膠腫(=グリオーマ)、中枢神経系原発悪性リンパ腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫などが挙げられます。ちなみに、現在スポーツ庁長官の室伏広治さんが病気を公表しており、また、2017年に松方弘樹さんが亡くなった病気は中枢神経系原発悪性リンパ腫です。

 このような原発性脳腫瘍の原因として、遺伝子の変異などいくつか疑われている要因はありますが、実際はまだ不明なことが多く、現在でもはっきりとした原因は特定されていません。髄膜腫については、女性の患者が多いことから、女性ホルモンと関連があるという説もあります。転移性脳腫瘍については、全身にできたがんが転移して引き起こされます。特に原発がんとしては肺がんが最も多く、次に多いのは乳がんですが、それぞれのがんによって原因は異なります。また、白血病の放射線治療が原因で脳腫瘍ができるケースもあります。

 腫瘍に共通して起こる症状として、頭蓋内圧亢進症状があります。腫瘍によって頭蓋骨内部の圧力が高まるために起こる症状で、頭痛や吐き気、視力障害や意識障害などがみられ、朝起きた時に症状が強く出るのが特徴です。他に、腫瘍の部位によっては、まひや言語障害、性格の変化、ホルモンの過剰分泌など、様々な局所症状(巣症状)が引き起こされます。

 症状がない良性腫瘍の場合は、経過観察もありますが、治療が必要な場合は腫瘍の除去手術が基本です。腫瘍の性質や部位によっては、脳の機能を温存しながら腫瘍除去できるかが問題になることもあります。全切除ができなかったり、悪性腫瘍とわかった場合などには、さらに放射線治療や化学療法(抗がん剤)などを組み合わせます。通常の放射線の他に、腫瘍の状況によってはガンマナイフ、サイバーナイフなどの方法で、腫瘍にピンポイントで放射線照射することもできます。外科的手術が難しい部位でも治療することが可能です。

 脳腫瘍は原因が特定されていないため具体的な予防は難しいですが、基本的には生活習慣病に気をつけて、まずはがん予防に有効とされる健康的な日常生活を送るようにしましょう。最近では、脳ドックを行う医療機関での検査によって脳腫瘍が発見されることもあります。

(出典:https://doctorsfile.jp/)


■がん予防は生活習慣の見直しから

 現代は情報があふれていますので、多くの情報を容易に手に入れることができます。科学的根拠に基づく情報もあれば、そうではないものも少なくない中で、科学的根拠の有無や程度を見極めて、確かな情報を選んでいくことが大切です。

 がんの発生は生活習慣と深いかかわりがあるので、がんのリスクを下げるためには現在の生活習慣を見直すことが重要です。たとえば、食生活。栄養のバランスのよい食事を摂ることが原則です。医師の指導がない限り、特定の食品を食べ続けたり特殊な食べ方をすることは、必要ないばかりか栄養の偏りを招きます。また、がん予防になるからと、普段運動習慣のない人が突然激しい運動を始めるのは禁物です。徐々に時間を増やして慣らしていきましょう。また、禁煙は自己流では続けられなくなることもあります。喫煙習慣は一種の病気です。希望者は、医療機関でのカウンセリングや禁煙補助剤の活用も検討してみましょう。

 がん予防の生活習慣は、生活のなかで無理なく段階的に組み入れ、地道な積み重ねを続けていくことが大切です。国立がん研究センターの研究班は、日本特有の生活習慣、さらにはウイルスや細菌の感染への配慮を踏まえて、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」を提案しています。2017年8月改訂版では、「喫煙」「飲酒」「食事」「身体活動」「体形」「感染」の6項目についての予防法が示されています(右表)。

 以上の項目を、それぞれの生活に無理ない方法で取り入れて生活することこそ、科学的根拠に基づく現代のがん予防です。もちろん、今後の研究によって、項目や内容が追加・変更されていきますので、情報に関心をもつことが大切です。

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 健康的な日常生活を営むにあたり、康復医学学会で提唱しているのが、①血流②睡眠・ストレス③体力 の3つ。この「健康の3本柱」は、精神疾患、糖尿病、がん、脳血管障害、心疾患、高血圧、認知症、サルコペニア、肥満など、生活習慣病から老化まで、すべての健康生活の礎を築くものです。

 血流の改善ポイントは"微小循環"。これは「霊芝(HM-3000)」が対応します。また、睡眠・ストレスには"セロトニン(脳内ホルモン)"の働きが重要なので、「ラフマ葉エキス」をお勧めします。そして、体力維持には"エネルギー産生(ミトコンドリア活性)"がポイントで、「コエンザイムQ10」が必須です。それぞれの明確な改善ポイントに対応する康復医学の療法(生薬・栄養素)は、使用されてきた長い歴史と豊富なデータに裏付けられています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月14日水曜日

細胞呼吸

 外呼吸と内呼吸

 エネルギーとは「仕事をする能力」という意味を持つギリシャ語の「エネルゲイア」から派生した言葉です。意味としては「①活動の源として体内に保持する力。活力。精力 ②物理学的な仕事をなし得る諸量(運動エネルギー・位置エネルギーなど)の総称」(広辞苑)。

 そして、人が生きていくために必要なのもエネルギーです。そのエネルギーになるのは、食べ物などから摂取する栄養素「炭水化物」「脂肪」「たんぱく質」です。これらはすべて代謝され、ミトコンドリアで酸素と反応させてATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを作ります(TCAサイクル)。この反応の過程で、およそ300gの水が副産物としてできます。酸化の過程でできるので"酸化水"と呼ばれていますが普通の水です。

 成人1人が1日に必要な水は約2.5リットル。酸化水は必要量の1/8程度で、大した量ではありませんが、この程度の水が重要な意味を持つ動物がいます。灼熱の大地、砂漠にいるラクダです。コブの中には水があるのでは? とお思いでしょうが、実はあのコブの中には脂が蓄えられているのです。皮膚から汗をかかないなど、水を極端に節約できる体の構造をもつラクダは、このコブの中の脂肪を酸化して作る酸化水を役立てているのです。

 話はそれましたが、人は1日にどれくらいのエネルギー(ATP)を作っているのか計算すると‥‥。成人男子が1日分の食事として摂取した2000kcalのうち、半分の1000kcalがATPの合成に消費されます。これは重さに換算すると、およそ50kgにもなり、体重分ほどの量のATPを毎日合成していることになります。この合成には、ATP合成酵素という酵素が働いています。もちろんエネルギー産生機能が正常に働いてのことです。生活習慣やストレス、老化などで産生機能が数字よりも低下している人が大半です。

 各細胞内に酸素・栄養素を取り込んでミトコンドリアがエネルギーを産生するのと同時に、細胞外に二酸化炭素・老廃物を排出するので、このガス交換現象のことを生化学的に「細胞呼吸」といい、「内呼吸」とも呼ばれています。そして、もうひとつの呼吸、体に酸素を取り入れる肺でのガス交換を「外呼吸」と呼んでいるのです。

(出典:『生命にとって酸素とは何か』小城 勝相/ブルーバックス)


■ミトコンドリアの細胞呼吸

 通常の細胞は酸素・養分を取込み、細胞内に存在するミトコンドリアが細胞の中で呼吸をして、体が機能するためのエネルギーを産生しています。また、二酸化炭素や老廃物などの不要物を処理・排出します。酸素・養分・不要物を運ぶのは血液です。

 エネルギー産生の要、細胞呼吸はその機能だけではなく、酸素や栄養素の供給、不要物の排出などを行う血液・血管(微小循環)などとの連携プレーが必須です。

 地球上の生物のほとんどは、酸素を使って栄養素からエネルギーを取り出しています。しかし、太古の原始生物の中には、酸素を使わずにエネルギーを産生するものもありました。


エネルギーを作り出すしくみ 【解糖系】と【TCA回路+電子伝達系】

 人間が60兆個の細胞の中に"2つのエネルギー工場"を持つのは、太古の細胞同士の合体の名残だと言われています。

 無酸素でエネルギーを作り出す「解糖系」は、瞬発力に必要な運動に対応する筋肉細胞などに使われますが、長時間には対応できません。また、産生効率もよくありません。

 解糖系ではエネルギー産生に限界があり、わずかな生物しか存在しませんでした。しかし、多くの生物が細胞にミトコンドリアを宿すことによって、酸素を使い効率よくエネルギーを産生して飛躍的に進化していったのです。


エネルギー産生と酸素

 人は酸素を使って栄養素からエネルギーを産生しています。エネルギー産生に必須な酸素は、血液の赤血球のヘモグロビンと結合し、全身を網羅している血管によって体の隅々まで運ばれ、微小循環の毛細血管によって60兆の細胞へ供給されます。しかし、運ばれた全ての酸素が細胞に供給されるわけではありません。

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 赤血球のヘモグロビンは、酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、せっかく吸収した酸素も細胞に供給できないと意味がありません。結合した酸素を切り離し、酸素を効率よく供給するのが「2,3-DPG」という物質です。低酸素の高山地域に住んでいる人々は、この2,3-DPGが体内に多く存在することが知られています。

「HM-3000(特系霊芝)」には、2,3-DPGの生成を促す作用があることがわかっています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月10日土曜日

男性の不妊症

 コロナで少子化想定超え

 日本の少子化が想定を超える速さで進んでいます。結婚しない人の増加や晩婚化に、新型コロナウイルスの感染拡大のため妊娠を控える傾向が重なり、2021年の年間出生数は80万人を割り込む試算が出ています。現実になれば公的推計より10年以上も少子化が前倒しになり、人口減に拍車がかかります。現役世代が高齢者を支える社会保障制度は一段の改革を迫られることになります。

 妊娠する女性の減少は統計からも明らか。厚生労働省が発表した昨年1~10月の妊娠届の件数は前年同期比5.1%減。5月に前年同月比17.6%減となるなど、4月に緊急事態宣言が出た後、大きく落ち込みました。地域別にみると4月以降は10月まで東京都が9.1%減、北海道が8.1%減、大阪府が7.6%減といったように感染者数の多いところで減少が目立ちます。

 婚姻数が減っているのも懸念材料です。厚労省の人口動態統計によると、婚姻数は2020年1~10月の段階で42万4000件と前年同期から13%以上も減りました。非婚化は中長期的にも出生数の減少をもたらす可能性があります。

 少子化が進めば、既に減少局面に入っている日本の人口は一段と先細ります。試算では、日本の人口は2049年に1億人を切り、推計値から4年の前倒しとなります。今後わずか30年で、現在の東京都2つ分に近い2500万人以上が減る超人口減時代です。

 在宅勤務などが浸透して外出が減れば出会いの機会も減ることになります。専門家らは、社会の変化で出生や婚姻数の減少傾向が止まらない可能性があるとして、「コロナ収束後、出生や婚姻数が元に戻るような施策が必要だ」と主張しています。

 日本の社会保障制度は現役世代が高齢者を支える仕組みです。政府は2018年から世代間の負担の偏りを抑える「全世代型社会保障改革」を掲げますが、想定より早く若年人口が減れば、改革は追いつきません。年金の支給額減少や医療費負担の増大などのしわ寄せが若年世代に一段と向かえば、経済不安などから結婚や出産をさらにためらう悪循環に陥ります。

(出典:https://www.nikkei.com/)


■男性の不妊症 

コロナ禍も原因の一つでしょうが、現代においては不妊の原因が男性側によるものが増えています。造精機能障害とは精子を造る能力自体が低いか全く無いもので、男性不妊全体の90%以上を占めます。造精機能の損傷、精子を作る細胞の欠如、精子の発育停止、あるいは極端な量または質の問題などの場合が考えられます。

精子自体に問題がある場合も

【精子無力症】

 通常、射精された精子は、前進運動によって卵子にたどり着いて受精しますが、運動能力の低い精子だと、受精するどころか卵子にたどり着くことさえ難しいのです。

【精子奇形症】

 奇形の精子が多い場合、正常な精子を比べて運動率が悪い、または受精能力が低いため、妊娠の成功率も減少してしまいます。


現代人は精子が減少傾向にある!

 過去50年の間に精子数が半減したという報告がされています。原因としては環境ホルモンが指摘されていますが、ストレスも大いに関連があると言われています。社会活動などにストレスを抱える男性は多く、今後、精子数はさらに減少すると言われています。

 世界保健機関(WHO)によれば、正常な精液とは精液量、精子濃度、総精子数、精子運動率または高速に前進する精子、正常形態率、精子生存率、白血球数などを調べます。中でも精子が受精するのに大切なのが、総精子数(浮遊率)、精子運動率などです。


ペプタイド型たんぱく質は、精子の浮遊率と質に期待ができる!

 精子に影響を与える成分としてはアルギニン(アミノ酸の一種)がよく知られていますが、アミノ酸単体ではその影響力は未知数です。小腸には、ペプタイド状態のたんぱく質を一度に吸収する仕組みと、アミノ酸を個々に吸収する仕組みが別々に存在します。ペプタイドを摂取した場合には、ペプタイドからアミノ酸になり吸収されるものもあるので、両方の吸収システムを効率よく使うことができます。そして、アミノ酸単体ではなくペプタイドの状態で精子に対して影響を与えることも考えられます。


精子の運動力影響するセレン

 細胞精子にはミネラルのセレンが大量に含まれていますが、体内に入ったセレンの25~40%は睾丸に集中し、精子の生成とその活動に多大な影響を与えています。そして、セレンの不足は精子の鞭毛に影響し、運動能力が劣り、受胎率の低下を招きます。

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 総精子数が少ないと診断され不妊に悩んでいた男性。当学会の研究により製品化したサプリを使用すると、徐々に精子浮遊率も上がり程なく受胎に至りました。このような症例が多くあります。必須アミノ酸や精子の質と量に影響する成分豊富な「サバペプタイド」と、セレンなど多くのミネラルを含有する「HM-3000(特系霊芝)」を配合するサプリです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン