美肌だけじゃない、丈夫な骨を作る「コラーゲン」
今や、健康や美容に関心がある人なら、誰でもコラーゲンをご存じだと思います。多くのサプリメントやドリンク商品が店頭に並び、さらに化粧品にも入っています。コラーゲンは、美肌成分として女性にはおなじみの存在ですが、体の中のコラーゲンは、肌以外でもしっかり働いています。では、コラーゲンは体の中のどこにあるのでしょうかと尋ねられたら、何と答えますか? 「肌」と答える人が多いと思いますが、実はもう一つ、とても大きな働きをしている場所が“骨”なのです。
「骨の中には大量のコラーゲンがあります。丈夫な骨を作るうえで欠かせないのです」
こう話すのは、骨コラーゲンの研究をする東京慈恵会医科大学准教授の斎藤充氏です。
人間の体には約200個の骨があります。全部合わせた重量は体重の15~20%ほどで、体重50kgの人なら7~10kgぐらいが骨の重さです。骨の素材としてすぐ思い浮かぶのはカルシウムですが、斎藤准教授は「カルシウムなどのミネラルは、骨の重さの80%。一方、コラーゲンを中心とするたんぱく質は20%。これだけ見るとミネラルが圧倒的に多く思えますが、実はそうでもないのです」といいます。
80対20という数字は「重さ」の比率です。「体積」で比べると、ミネラルとコラーゲンは50対50でほぼ同量なのです。
「鉄筋コンクリートの壁を想像してください。中の骨組みに相当するのがコラーゲンで、コンクリートがミネラルです」(斎藤准教授)
鉄筋コンクリートを作るときは、先に鉄骨を組んでから周りをコンクリートで固めます。実は骨も同じ順番で、まずコラーゲンの骨組みができて、その周りにミネラルがくっついていきます。
「骨組み作りで大事なのが、コラーゲン分子同士をつなぐ“架橋”と呼ばれる構造です」と斎藤准教授。コラーゲンは、繊維状の細長いたんぱく分子。この周りをただカルシウムで塗り固めても、強い骨にはなりません。“筋交い”に当たる、コラーゲン同士をつなぐ構造が必要なのです。それが架橋分子です。もとになるコラーゲン分子は、肌にあるものと全く一緒でが、架橋という構造で強度を高めることで、骨のような強い組織になるのです。
■骨粗鬆症とコラーゲンの関係
骨がもろくなる「骨粗鬆症」という病気は、今まで骨の中のミネラル不足と考えられてきましたが、最新の研究では、コラーゲンの側の問題で骨が弱くなるタイプもあることがわかってきました。高齢者だけでなくメタボ気味の人でも要注意
骨粗鬆症に関して、問題が起きるのは右図のようにコラーゲン分子でできている架橋の部分です。本来はピリジノリンという分子が弾力性に富んだ強い骨の善玉架橋を作るのですが、高齢者やメタボ気味の人では、ペントシジンという悪玉架橋の鉄筋のサビとなります。ペントシジンは、動脈硬化などと同様に、体の中の活性酸素が原因で増えてしまい、これが増えた人の骨は、もろくて折れやすくなります。AGEで骨の柔軟性が低下する
骨の架橋に必要なコラーゲン分子は、AGE(終末糖化産物)(参照:http://hontotsutae.blogspot.jp/2013/02/age.html)からも影響を受けて骨の柔軟性を低下させてしまいます。外部から骨へ伝わる力の吸収を低下させるため、骨折などの骨障害の原因にもなっています。過去、骨の健康度は骨密度が重要視されてきましたが、近年は鉄筋の役割をしている骨質(架橋)の大切さが重視されています。
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光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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