がんより多い女性の死因、循環器病
心臓や血管に関する循環器系の病気といえば、不摂生を重ねた男性のリスクが高い印象がありますが、女性でも40代を過ぎた更年期以降に発症リスクが高まることはあまり知られていません。健康を下支えしてきたホルモンのバランスが乱れて不調を抱える人は多く、結果的に診療科を誤るなどして深刻な疾患を見逃してしまうケースも。
「女性の皆さんにも循環器病の予防を考えていただきたい」。2月上旬、日本循環器協会が行った健康セミナーで、北里大の東條美奈子教授が呼びかけました。
啓発活動の背景には、国の調査で女性の死因1位であるがんを、心疾患と脳血管疾患を合わせた循環器病が上回っていることへの危機感があります。専門家は、循環器病の予防には「自分の体について知ることが大切だ」と指摘します。
循環器病の発症リスクは、卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少が起きる更年期(45~55歳ごろ)以降に高まるといわれています。
エストロゲンは、▼血管の拡張 ▼コレステロールの生成抑制 ▼骨密度の低下予防‥‥などの作用があり、血管や心臓の保護に働きますが、40歳を過ぎる頃から卵巣機能が低下し、分泌量が減少。高血圧、悪玉コレステロール値上昇、骨粗鬆症リスクの上昇といった体内環境の悪化を招き、狭心症や心筋梗塞などの循環器病が引き起こされやすくなるといいます。
三重大大学院の坂東泰子教授によれば、更年期以降の女性にみられる胸痛や息苦しさなどの症状に特徴的な原因疾患には「微小血管狭心症」と「たこつぼ型心筋症」が知られます。
いずれも自律神経の調節不調が背景にあることが多く、心筋障害を起こして入院加療が必要となるケースもあります。微小血管狭心症は一般的な狭心症と比べて安静時でも発作が起き、病院で通常行う検査だけでは診断が困難。たこつぼ型心筋症は、特に女性では精神的ストレスが引き金になるとされます。
こうした女性の循環器病は、見過ごされたり、我慢したりするケースが多いとのこと。肩や背中など心臓と関係がなさそうな部位に痛みの症状が出ることもあるため、整形外科などを受診して病気の発見が遅れたり、更年期症状の一つとしてやり過ごそうとしたりするケースも少なくありません。
早期発見、予防に重要なこととして、「体の状態把握」と「心身の健康ケア(ウェルネスの意識)」が挙げられます。日頃から血圧や脈拍の数値を把握していれば、血圧の急激な上昇や今までにない脈の打ち方などの異変に気付きやすくなります。
予防には、脂質が少なく、食物繊維が多い食事と運動が基本で、「体を動かした後、心地よい爽快感が感じられるものが自律神経を整えるのに役立つ」と説明。また、筋肉に負荷をかけるヨガは、循環器病予防に効果的な運動の一つとのデータもあります。
(出典:https:// www.sankei.com/)
■微小血管狭心症
狭心症という病気はよくご存じだと思います。心臓を栄養する血管である冠動脈に動脈硬化がおこり、内腔が狭窄して血流が乏しくなるためにおこります。
「労作性狭心症」は身体的活動や精神的興奮時に胸の圧迫感が生じますが、安静にして心身が落ち着くとその症状もおさまります。一方、動脈硬化の強い欧米人には少なく日本人に多い「冠攣縮性狭心症」というタイプの狭心症があります。これは心臓に負荷がかかってないときにも起こる狭心症で、喫煙、睡眠不足、精神的ストレス、大量飲酒の翌朝、寒冷刺激などが誘因となります。
しかし、今回のテーマである「微小血管狭心症」という狭心症は、このような大きな冠動脈の血管で起こる狭窄ではありません。発作時の心電図の変化も少なく、心臓カテーテル検査による冠動脈造影でも画像として検出できません。非常に細い末梢の血管が一時的に収縮するために起こるもので、更年期前後の女性に見られることが多い狭心症なのです。
微小血管狭心症の特徴とその原因
微小血管狭心症の定義は、弁膜症や心筋症などの心臓の病気が全くない方で、直径が100μm以下(髪毛の直径とほぼ同等)の微小な冠動脈の拡張不全、収縮亢進のために心筋虚血が一時的に起こることによって、胸部圧迫感が労作と無関係に安静時にも起こる狭心症とされています。その70%は女性が占めるといわれています。
発症する年齢は30代半ばから60代半ばで、動脈硬化による狭心症に比べると若く、最も多いのは40代後半~50代前半の女性です。この時期はエストロゲンが減少し始めるとともに、人生においても様々な問題を抱え、心身の不調を感じる時期とも重なっています。
冠攣縮狭心症と同じように喫煙、寒冷、精神的ストレスなどが誘因となることも知られています。まだ、はっきりとした原因解明には至っていませんが、女性ホルモンが関与していることは確実なようです。
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康復医学学会が長年主要研究テーマとして扱ってきた生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、微小循環の改善を促し、微小血管系に関わる障害に対しての予防効果が期待できます。※微小循環とは :毛細血管床とその輸入、輸出血管である細動脈、細静脈を一括して微小血管系と呼び、この微小血管系で行われている循環は微小循環と呼ばれる。(『新生理学大系 第16巻 循環の生理学』より)
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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