2週間で腸内環境は変わる
新型コロナ禍の「巣ごもり便秘」が指摘されてから、すでに数年になります。第11波と言われる感染が広まる中、大腸劣化を食い止めるには、どうすればよいでしょうか。消化器病専門医で帝京平成大学教授の松井輝明氏が勧める腸活方法を紹介します。私たちの大腸には1,000種類、100兆個以上とも言われる腸内細菌がすんでいます。この細菌が元気に働き続けられるかどうかは、私たちの心掛け次第。大腸ケアに手遅れはありません。2週間で腸内フローラのバランスは劇的に変わります。
朝1杯の水分で大きな活力 :朝起きたら、コップ1杯の水分を摂りましょう。まだ眠っている胃腸を目覚めさせます。また、朝食は必ず摂りましょう。朝食を摂ることで、「胃・結腸反射」がおこり、その刺激で腸が動き出します。
朝のトイレを習慣づける :朝食後には必ず排便する習慣を。副交感神経を優位にし排便しやすくするためにも、トイレでの数分くらいはリラックスした気分で過ごしたいもの。
ストレスと上手につきあう :ストレスや睡眠不足は、交感神経が優位になりやすく、腸の動きが悪化します。腸と脳との連動(脳腸相関)で、お互いがストレスを敏感に感じ取ります。好きな音楽を聴く、散歩や運動をするなどの時間を、毎日持つようにしましょう。
毎日30分の運動習慣 :毎日30分の有酸素運動は血行をよくし、運動の刺激が腸を活発にします。少し早足で歩く、階段を使う、遠回りをするなど、できる範囲でかまいません。
炭水化物抜きダイエットは避ける :腸内細菌のエサは食物繊維。日本人にとってお米は貴重な食物繊維源です。「食物繊維は野菜で」と思っている人も多いですが、実は、野菜より穀物のほうが食物繊維を多く含みます。ごはん抜きの食事は不足しがちな食物繊維摂取量を一層減らします。食事制限の指導がない限りは炭水化物抜きダイエットはNGです。
水溶性食物繊維を一品プラス :有用菌の代表格、ビフィズス菌は加齢とともに減少します。ビフィズス菌のエサとなる食物繊維、特に水溶性食物繊維を摂るように心掛けましょう。食事に一品、ワカメの酢のものなど海藻を加えたり、白米を雑穀米にしたり、食後に果物を加えたりすることで、水溶性食物繊維を摂取できます。食事が不規則になりがちな人や外食の多い人は、オリゴ糖や天然のイヌリンなどを利用する方法もあります。
発酵食品を上手に利用 :ヨーグルトや漬物、納豆などの発酵食品には、腐敗を防ぐ働きのある細菌や、腸内細菌が好むエサが含まれていて、大腸を元気にしてくれます。ヨーグルトは腸活効果を最も発揮させるため、寝る2時間くらい前に摂るのがベスト。夕食後、胃酸や胆汁の分泌が落ち着き、腸内細菌が活発になる時間帯だからです。
食事は量より品数 :豊富な品数はバランスのよい食生活の基本です。外食時は丼物や麺類などより、食物繊維が摂れる小鉢付きの定食が良いでしょう。
(出典:https://www.asahi.com/)
■健康のカギを握る"短鎖脂肪酸"
口から三大栄養素を摂り、消化・吸収されたあと、腸内では四つの現象が起こります。①発酵 ②腐敗 ③異常発酵 ④酸敗です。このうち①は健康に向かい、②③④は不健康へと向かいます。この発酵で産生する有機酸こそ、健康のカギを握る「短鎖脂肪酸」です
脂肪酸には、炭素数12以上の長鎖脂肪酸、7~11の中鎖脂肪酸、6以下の短鎖脂肪酸があります。短鎖脂肪酸は、大腸内で、善玉菌が持つ酵素の働きによって行われる食物繊維(糖質)の発酵で生じます。短鎖脂肪酸は飽和脂肪酸です(不飽和脂肪酸には、短鎖及び中鎖脂肪酸は存在しません)。飽和脂肪酸は、肉類の脂肪や乳製品の脂肪に多く含まれ、中性脂肪やコレステロールを増加させ、動脈硬化を促進させる悪者‥‥これは間違いです。飽和脂肪酸がなければ、細胞膜はボロボロに崩壊し、細胞が存在できなくなります。細胞膜形成に欠かせない栄養素なのです。あり過ぎたり摂り過ぎたりすると問題なだけの話です。
ミトコンドリアの活性、免疫の強化に
短鎖脂肪酸は、炭素の鎖の連結が短いために分解が容易ですぐにエネルギー源として働きやすいのです(体脂肪として蓄積されるのは、鎖が16以上ある脂肪酸であり、短鎖脂肪酸ではありません)。
近年大きな注目を集めている「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」も短鎖脂肪酸です。酢酸は脂肪を合成する材料として、プロピオン酸は肝臓における糖新生の材料として使われています。酪酸は大腸の主要部分の栄養素となります。これら短鎖脂肪酸は、水溶性の食物繊維や糖質の発酵で生じ、免疫機能の向上や、健康増進・維持への有益性が認められてきました。短鎖脂肪酸の95%は大腸粘膜から吸収され、すべての消化管と全身の臓器の粘膜上皮細胞の形成・増殖を担い、粘液を分泌させる働きをしています。胃液も腸液、膵液、胆汁も全て短鎖脂肪酸が作っており、大腸粘液などは100%、短鎖脂肪酸をエネルギー源としています。さらに、細胞内のミトコンドリアに働き、エネルギー活性化を促進します。また、腸のpHを上げ、殺菌力を高めます。がんのアポトーシス(プログラムされた細胞死)にも関わっています。つまり短鎖脂肪酸は、人間の体液(粘液)のかなりの部分を作り、細胞のミトコンドリアを活性させ、粘液の強化に寄与しているのです。
短鎖脂肪酸を増やす食事を!
短鎖脂肪酸を増やす材料は、熟した果物、わかめ、昆布などに含まれる水溶性の食物繊維です。穀物、大豆、キノコに含まれる不溶性食物繊維も材料となります。ほかには、酢(黒酢)、梅干し、漬物、キムチなどの発酵食品も、短鎖脂肪酸の材料になります。当然、康復医学学会の主要研究素材「HM-3000(特系霊芝)」には、不溶性食物繊維も豊富に含まれています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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