歯を失うと認知症リスクが高まる
美味しいものを、いつまでも自分の歯で食べるためにケアは欠かせませんが、実は、東京医科歯科大学の研究で、歯を失うと認知症のリスクが高まるということがわかったのです。
(※以下、関連する研究論文を世界で初めて発表した東京歯科大学主任教授の後藤多津子先生のお話)。
2024年1月1日「認知症基本法」が日本で制定されました。その背景にあるのは急速な高齢化です。65歳以上は5人に1人が認知症になると見込まれている中、認知症対策は日本の重要な課題となっています。
今回の研究では、今まで大脳とアルツハイマー病の関係が研究の中心でしたが、生命の根源と言われる"脳幹"こそに原因の大本があるのではないかということをヒト生体脳で証明、歯と脳幹とアルツハイマー病の関与を世界で初めて論文として公表したものです。
歯を抜くと、脳の深部にある"脳幹"の神経が死にます。それに伴って、この脳幹に「タウ」というたんぱく質が蓄積。このタウの塊の蓄積が、脳幹から記憶の出し入れに関わる海馬という部位に波及し、これが認知症の発症や進行に関わっているという研究結果が出ました。認知症にはアミロイドβという物質が溜まることが関係しているという話はご存じの方が多いと思いますが、実はタウという物質も大きく影響しているのです。研究では、65歳以上でアミロイドβの蓄積が認められたアルツハイマー型認知症患者24人と、蓄積していない健常者19人を対象に解析を行いました。結果として、アルツハイマー型認知症患者群は、タウの蓄積と残っている歯の数に関係があることが分かったのです。
もちろん歯が残っていても、認知症になることは考えられます。でも、少しでもリスクを下げるためには、歯をなくさないようにした方がいいのです。
抜歯せざるを得なくなるのは、虫歯がひどくなったとき、歯が割れたとき、歯槽膿漏で歯がグラグラになったとき、が考えられます。この3つを口腔ケアで予防することが何より重要です。歯と歯の間の汚れもデンタルフロス、歯間ブラシで除去してください。家の掃除と同じ。隅々にたまっているホコリまでしっかりと。歯科医院で歯石の除去も忘れずに。
60歳近い管理職の方が歯が縦に割れるケースが多く、ストレスで無意識にかみしめているのではないかと推測されます。就寝時にマウスピースを着けることも有効で、縦に割れても抜歯せずに済ませる治療法もあります。
虫歯や歯槽膿漏の予防には、唾液をたくさん出すことが大切です。唾液は口の中を洗浄してくれます。よく出すために、唾液腺のマッサージが効果的です。
歯を抜くか抜かないかの選択を迫られた時には、認知症予防のためにもできるだけ抜かない方法を模索することをお勧めします。
(出典:https://www.sponichi.co.jp/)
■口腔ケアで認知症予防
認知症予防に口腔ケアが効果的な理由は、噛む行為によって三叉神経から大脳皮質が刺激され、脳が活性化するためです。咀嚼によって脳の記憶を司る海馬の神経細胞が増えることも研究から分かっています。また、歯周病は歯槽骨が壊されることで進行する感染症です。口腔内細菌の影響は全身に及ぶため、多くの病気につながる可能性があります。
口腔ケアが認知症に与える影響
口腔内の衛生状態が悪化すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。特に、口腔内の細菌が血流に乗って全身に広がり、炎症反応を引き起こすことがあり、この炎症反応が認知症の進行を促すといわれています。
また、口腔ケアが不十分な状態では、食事をしっかりと噛むことが難しくなり、栄養不足につながります。栄養不足は、認知機能の低下を引き起こす一因となります。
さらに、口腔ケアが不十分な状態は、誤嚥性肺炎のリスクを高めます。誤嚥性肺炎は、飲み込む力が低下した高齢者がかかりやすい病気で、口の中の細菌が気道に入り込み、肺に炎症を起こすものです。命に関わることもあるため、口腔ケアの重要性は高まります。
認知症と歯周病
アルツハイマー型認知症と歯周病は深く関わっています。研究によって、アルツハイマー型認知症の方の脳内から歯周病原因菌が検出されたのです。
歯周病原因菌は、ミクログリアを活性化させる菌です。活性ミクログリアは、アミロイドβを生産・蓄積する役割を担っています。本来はアミロイドβがつくられても脳にはいかないと考えられていましたが、歯周病菌が体内でアミロイドβをつくりだし、血液によって脳内に入り込むことがマウスでの実験で確認されたのです。
自宅でできる口腔ケアのポイント
歯磨き :歯磨きの方法としては、歯と歯肉の境目を中心に、歯ブラシを斜め45度にしてゆっくりと磨くことが推奨されています。また、歯磨きの際には、食べ物が詰まりやすい奥歯まで、全ての歯をしっかりと磨くことが大切です。
口腔内の清掃 :舌は口臭の原因となるため、舌ブラシや舌クリーナーを使用して清掃します。また、口腔内乾燥を防ぐために、定期的に水分を摂ることも大切です。
口腔体操 :口を大きく開け閉めする、舌を左右に動かす、口角を上げるなどの動作は、口周りの筋肉を鍛え、加えて歯周病を抑える唾液(つば)を出すことを促します。また、飲み込む力を強化し、誤嚥を防ぐ効果もあります。
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認知症の予防には、口腔ケアをはじめ、自らの健康管理に心掛けることが大切です。食生活のバランスを整え、適度な運動を取り入れましょう。そして健康な脳血管を維持するために、日々の生活に「HM-3000(特系霊芝)」を取り入れることもお勧めします。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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