2025年2月26日水曜日

低血圧と認知症

 降圧薬減らして認知機能低下が抑制

 高齢者への降圧薬投与は珍しくありませんが、同薬の認知機能に及ぼす影響について一貫した見解は得られていません。米・カリフォルニア大学の研究者らは、高齢者1万2,644例を対象に降圧薬の減薬と認知機能低下の関連を検討する標的試験模倣研究を実施。その結果、「降圧薬の減薬による認知機能低下リスクの抑制が示唆された」と『JAMA Intern Med(9月23日オンライン版)』に報告しました。

 対象は、2006~19年に米軍退役者向け介護施設(CLC)での生活歴が12週間以上、降圧薬の継続期間が4週間以上で65歳以上の高齢者1万2,644例(平均年齢77.7±8.3歳、男性97.4%、白人73.1%、黒人17.5%)。CLC入所時に血圧160/90mmHg超、心不全の既往、降圧薬不使用が確認された例は除外。

 降圧薬の定義を9種の薬剤(β遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、α遮断薬、血管拡張薬、カリウム保持性利尿薬)とし、減薬の定義を〔①前週と比べ使用薬数の減少または30%の用量減が認められ、②使用薬数または用量が低下した状態を2週以上維持した状態〕とした上で、対象を減薬群(1,290例)と継続群(1万1,354例)に分け、2年間またはCLC退所/死亡まで追跡しました。

 主要評価項目は、認知機能スケール(正常1点、軽度2点、中等度3点、重度4点)に基づき患者本人または介護職員から報告された12週時の認知機能低下とし、性、年齢、患者背景(体重、血圧、投薬量、既往歴など)を加味した解析で算出しました。

 追跡期間の中央値は減薬群が23週(範囲9~65週)、継続群が21週(同5~77週)で、ベースライン時の認知機能に両群で差はありませんでした。

 12週時の認知機能低下リスクは、継続群に比べ減薬群で有意な低減が認められ、認知症集団ではリスクの低減幅がより大きかったことがわかりました。

 研究者は研究の限界として、〔①大部分が白人男性である、②心不全患者を除外している、③認知症の種別を考慮していない〕ことを挙げた上で、「降圧薬の減薬による認知機能低下リスクの抑制が示唆された。特に認知症例において抑制効果が大きいと考えられる」と結論づけています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)

※日本においても、東海大学名誉教授で大櫛医学情報研究所所長の大櫛陽一氏が、その著書『高血圧の9割は正常です』(ダイレクト出版刊)や『長生きしたければ高血圧のウソに気づきなさい』(ベストセラーズ刊)などで、脳梗塞や認知症と降圧薬の危険な関係を明らかにしています。


■低血圧と認知症の関係

 血圧というと高血圧ばかりに注意が向けられますが、健診における低血圧の基準値はありません。日本高血圧学会の基準でも、上120未満、下80未満であれば、どれだけ低くても「正常血圧」と判定されてしまいます。「診察室血圧」は病院で計る血圧、「家庭血圧」は家で計る血圧です。大抵の人は病院では少し緊張するため、上の血圧が10~20、人によっては30以上も高くなります。そのため最近は、家庭血圧の方が重視されているようです。

日本では「低血圧」は病気ではない?

 日本高血圧学会が決めた血圧の基準値の中にも「低血圧」という言葉は一切出てきません。また「高血圧学会」は存在しますが、「低血圧学会」はありません。つまり日本では、低血圧は病気として扱われていないということです。ただし世界保健機関(WHO)の定義があり、“上100以下、下60以下の状態が継続している”ものを低血圧としています。日本でもこれに準じて診断している医師が大勢いるので、健診の最後の「内科診察(医師による診察)」で「低血圧」と判断され、その旨が健診結果に記載されることがあります。

 低血圧の主な症状は、めまい、立ちくらみ、朝起きられない、など。命に係わることはなく、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などのリスクが低いこともあって、「低血圧は治療の必要がない」とする医師が少なくありません。食事や生活習慣の改善指導を行う程度です。

 低血圧に悩む人の数はよく分かっていませんが、人口の約1~2%(125万~250万人)といわれます。また男性よりも女性のほうが多く、男女比は1:2とされています。     

血圧と認知症の意外な関係

 そんな低血圧と認知症の発症との関係を示唆する研究が、最近増えてきています。中年期では高血圧が認知症のリスク因子とされており、血圧を下げることが、将来の認知症の予防になると考えられています。ところが老年期になると、むしろ低血圧が認知症のリスクを高めるらしい、ということが分かり始めてきたのです。

 低血圧の人は、血液が全身に十分に回りにくく、特に脳は体の最上部にあるため、血液不足になりやすいのです。しかも高齢になると、ほとんどの人が動脈硬化になります。血管が硬くなるため、血圧を上げなければ、ますます血流量が減ってしまいます。つまり低血圧が続くと、血の巡りが悪くなって、脳細胞が酸素不足や栄養不足になるリスクが増してしまうのです。それが認知症の引き金になると考えられています。実際、高血圧の高齢者への降圧剤の処方で、血圧が下がり過ぎ、かえって認知能力が低下した、という話をよく耳にします。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、恒常性の保持・調整作用「温寒」の性質に対する双方向性作用生理機能(呼吸や排泄、血液の循環、生殖、汗をかくことなど、生命活動に関連する基本的な機能)の正常化作用などが認められており、それらの作用が高血圧を改善するとともに、低血圧をも正常に戻す働きを持っていると言われています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


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